第5話 能力の繋がり
通路の常備灯の灯りが漏れ入り、室内は薄明かりでソファーテーブルなどの障害物の判別は出来る。
深夜尿意で目覚めた私は、二人を起こさないようベッドから降りてトイレに向かった。
寝惚け
先程の初めての性体験が、鮮明によみがえって来た。
「おっ?何で?・・・あぁ、ミルダにケイト、二人と性行為を・・・疲れて寝てる・・・おりょ?私は二人に触れて居ない、なぜ見えてる?・・・所長が言ってた、これが能力の
あられもない全裸の二人が寝るベッド、私の下半身が復活し、それを気恥ずかしく感じベッドから降り、寝室を出て応接室のソファーに寝転んだ。
「ベッドからここまで5㍍位?二人からこれほど離れても見える・・・凄い事じゃ無いか?」
ソファーから玄関ドアに向かうと、突然視力を
「5㍍が能力繋がりの限界か」
(准将のじじい、流石能力鑑定所の所長だ、これを知っての命令だったのか・・・確かに私の性格では司令官命令でも無いと二人と関係を持つなんて出来なかっただろう、じじいの思惑は兎も角だがこれには感謝だな)
朝目覚は少し気だるい、夢中で行為したが思い返せば、あれは結構な重労働だった。
少し気恥ずかしく感じながら、二人と食堂に向かった。
「「あれ?サンド曹長?見える・・・の?」」
私の自然な行動に、食堂の席に座った所でやっと気付いたミルダにケイトが声を上げた。
「あぁ、能力の繋がりってやつが発生したようだ、二人が近くに居てくれたら不自由無く見える」
相変わらず旨くない、栄養補給主体の食事を済ませたタイミングで、私達の補助担当の職員、イルル軍曹が今日の日程を言った。
「サンド曹長医務室に行って下さい」
「ミルダ伍長とケイト伍長は、拳銃射撃と戦闘訓練をしてもらいます」
イルル軍曹も私達の結果を知っているようだ・・・まさか寝室に監視装置とか仕組んで無いよな?
ミルダにケイトと別れ医務室に行った、当然の結果直ぐに暗闇になってイルル軍曹の補助が無いと立ち往生する所だった。
「サンド曹長、義眼が出来て居ります」
眼球の無い空洞にガラス玉の義眼が入った、見える訳ではないが、これで目を開けても不気味な顔で無くなる、全くの飾り物だが有り難い。
私はガラス玉の視線を動かす訓練、ミルダにケイトは戦闘訓練が一月の間続いた。
毎夜の行為で二人との繋がりは、15㍍に伸びてそれ以上は長くならない、これが最長のようだ、繋がりを伸ばす言い訳が無くなっても毎晩やる事は止めて居ない。
今日は久し振りに三人揃って所長に呼ばれた。
「諸君達の能力を最大限活かせる転属先が決まった!転属に先駆けてサンド曹長を少尉に昇進させる、ミルダ伍長とケイト伍長は軍曹に昇進した」
昇進は嬉しい!私がまさかの士官様になるとは、二人との出会に感謝だ!
私が受けた転属先の辞令書には、超長距離砲撃隊、隊長と記入されていた。
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