第3話 ミルダにケイト

「1等兵が言うように、彼は能力を持たない者だから、能力を復活させる君達が触れても変化が無いのだと思う」

「成る程、そう言う事ですか『見る』って、盲目者を見えるようにする能力ではない?納得しました」

 ミルダにケイトの能力は凄く限定されたもので、能力認定官の調査では判明出来ず無能扱いされたようだ。


「大急ぎ3人で、憲兵詰所に行く必要がある!」


 面倒だが、能力者認定官は士官なので直接面会に行く訳にはゆかない、従って我々の場合憲兵に取り次ぎしてもらう必要がある。


 憲兵詰所に報告に行くと虚偽きょぎの報告ではないのか実射を含め厳しく確認をされ、真実と判明すると待たされる事なく即、能力鑑定所に連れて行かれた。


 私達3人は、憲兵専用ジープに乗って移動中だ。

「サンド曹長、能力鑑定所って聞いたこと無いです」

「ミルダにケイト私も能力者認定は受けている、従って能力者認定官を飛び越して能力鑑定を受けるようだ」

「ちょっと恐いです」

「特殊な能力、例のない事例なので、モルモットにされるかも、安全な暮らしが出来てた君達には悪い事をした!済まない」

「そんな事無いです、サンド曹長は他の人と違って、嫌らしい目で見ないから(何処までも着いて行きます)」

「嫌らしく見ようにも、この目じゃ見えないからねフッ!」


「わっわ!そんな意味じゃ無いです!」

「ちょっとした自虐ネタだ、気にして無い」

「おさわりもしない、サンド曹長のお役に立てるなら良いです(私にケイトのためでもあるし)」

「触る奴が居たのか?・・・ちょっと残念、私も軽く胸などタッチすればもっと早くミルダの能力に気付いたかも」

「私の胸は触る価値無いですが、ミルダの胸は触ると気持ち良いですよ」

 私の視力のため、二人にれてもらって居るので、気持ちまで伝わって来るようだ、いまなら胸を触る位は・・・不味い!私の邪心も伝わってる?

 サンドの気のせいで、今のところそこまで気心は通じて居ません。


「こら!!貴様ら!憲兵移動車内で、いちゃつくとは良い度胸だな!」


 憲兵に小言を言われ気付いた。

(何と言う事だ!私が他人と気安く会話が出来てた!これはケイトの能力のお陰か?)

 サンドの性格のせいで、今まで出会えて居なかっただけで相性が良いと言うか、ケイトの人懐っこさとミルダの優しさのお陰です。



 能力鑑定所は、幾つもの棟が建ち並ぶ巨大な軍事施設だった。

 憲兵から詳細が届いて居たようで、手続き無しで私達は職員に引き渡された。

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