第8話

 迷子になっちゃった。あは、・・笑えねぇ。


 この家、いや家というより屋敷?広すぎるのよ。お、前からメイドさんが

 「へい、そこのメイドさんちょっと道をお尋ねしたいんだけど」って言えないよなぁ。5歳と言えど自分家で迷うなんてありえないから。あやしまれないって決めたばかりなのにぃ。家の中、探検したろーつって取り敢えず行けるとこまで来たら帰り道忘れるなんて、前世の方向音痴を引き継ぐのもまた運命、か。 

 そういえば前世の方向音痴も筋金入りだったな。なんてったってスマホのマップ機能があっても迷う。30分のルートを30分で着くと勘違いしてはいけない。きっと2倍の1時間はかかるのだから。信じられるのは己の足と心のみ!

 して、どうするべきか。この状況では「秘義!そこら辺を歩いてる地元民に尋ねる」って方法は使えないし、やはり歩き回るしかない。「お嬢様。こちらにいらしたのですね。講師のクレア様がお待ちですよ。行きましょう。」


 マぁああヤぁあ


 やっぱり頼りになるのは、ベテランメイドだね!

 「また、迷子になってたんですか?」



 ・・うん、また?

 もしかしてぇクリスティーナもかなりの方向音痴ぃ?よし、ここは正直に答えよう「うん、」

 「何度も、言いますが、そういう時は近くにいるメイドに聞いてください。」言い終えるとマーヤはひとつため息をついた。マーヤにはほんと苦労をかけてるんだね。



ところで講師ってなんの?

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