第14話:水島さんに成功したかどうかを尋ねていく

 月曜日のお昼休み。


 今日は桜井さんと学食で一緒にお昼ご飯を食べていっていた。その理由はもちろん一昨日の川崎への誕生日プレゼントの件について話を聞くためだ。


 俺も水島さんと一緒に川崎の誕生日プレゼントを買ってきた身として、川崎がどういう反応をしてくれたのかは当然気になっている。


「それでどうだったの? 誕生日プレゼントは喜んでくれた?」

「あ、うん、すっごく嬉しそうにしてくれたけど……」


 俺は昼ご飯を食べながらそう尋ねていってみたんだけど、でも水島さんは何か含みのあるような事を言ってきた。


 でも何だか思っていた反応と全然違ったので、俺は首を傾げながら続けてこう言っていった。


「うん? もしかして何か問題でもあったの?」

「え……あ、あぁ、いや、ううん、何でもないよ! すっごく喜んでくれてたよ! それにちゃんと大事にしてくれるって言ってたよ!」

「ふぅん、そうなんだ? まぁそれなら良かったよ」


 水島さんは何でもないと言ってきたんだけど、でもその様子からして何かあったのだろうというのは想像がついた。


 まぁでもどうせまた川崎と痴話喧嘩をしたとかそんな話のような気もするし、そこまで深く気にする事はしないでおいといた。


「まぁ川崎がそれだけ喜んでくれたのなら本当に良かったね。俺も水島さんと一緒に誕生日プレゼントを探した甲斐があったってもんだよ」

「うん、本当に冴木君のおかげだよ! ありがとう冴木君! 今回のお礼はちゃんと必ずするね!」


 水島さんはそう言って俺に満面の笑みを浮かべてきてくれた。そしてその笑みはやっぱりアイドル級に可愛いものだった。


(いや、マジでこんなにも可愛い幼馴染が近くにいるなんて川崎が羨ましすぎるよな)


 俺はそんな事を思いながらも水島さんに向けて笑みを浮かべながらこう言っていった。


「はは、そんなの全然気にしなくて良いよ。俺としては暇だった休みの日を水島さんと楽しく過ごせただけで十分だからさ」

「いやいや、そうは言っても一緒に朝から家電量販店で3~4時間も並んでくれたのは私にとっては物凄い恩なんだよ! だからちゃんと改めてお礼させてよ! ね、お願い!」

「うーん、水島さんがそこまで言ってくれるならわかったよ。あ、それじゃあさ……実は俺もさ、来月が誕生日なんだよね」

「あ、そうなんだ……って、えぇっ!? 冴木君ももうすぐ誕生日なの!?」


 という事で俺は水島さんに誕生日が近いという事を伝えてみた。


 まぁせっかく水島さんが恩を返したいって言ってきてくれるんだから、この誕生日という最大級のイベントを活かさない訳にはいかないよな。


「うん、実はそうなんだ。だからまぁ……それじゃあその日に何か俺も期待してもいいかな?」

「うんうん、そんなの当たり前でしょー! 友達なんだからちゃんとプレゼントをあげるよ!」


 水島さんは俺に向かってそんな嬉しい言葉を言ってきてくれた。どうやら水島さんは俺の事をちゃんと仲の良い友達だと認識してくれているようだ。


(はは、水島さんにそう思われているなんてめっちゃ嬉しいな)


 水島さんと出会ってまだニヶ月くらいしか経ってないんだけど、でもここまでの仲にまで発展した事を心の中で喜んでいった。


「……あ、でもそういえばさ、水島さんって川崎以外の男子に誕生日プレゼントをプレゼントを渡した事ってあるの?」

「え? あぁ、えぇっと……実は悠斗以外にはプレゼントをあげた事ないんだよね。だから男の子が喜びそうなプレゼントって中々思いつかないんだけど……って、あ、そうだ! それじゃあ冴木君は何か欲しいものとかある? 冴木君の要望とかあるようだったら何でも聞いちゃうよー!」

「あはは、そっかそっか。うん、ありがとう。それじゃあ何か欲しい物とかあるかちょっと考えてみる事にするよ」

「うん、わかった! それじゃあ何か欲しい物とかやりたい事とかあったら何でも気軽に言ってね!」


 水島さんは俺に向かってそう言ってきてくれたので、俺は欲しい物をちゃんと考えていく事にした。さてさて、それじゃあどんなお願いをしようかな?

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