第5話 二期目選挙

二期目の選挙は苦戦しそうでしなかった。

選挙民の大半が選挙棄権してくれるので地方民としては助かる。


昔、神の国発言おじさんが選挙に関心が無ければ寝とってくれればいいと素直に言っていたけどあれば本当にそうだ。

うちの選挙区は6万票取れれば簡単に議員になれる。


組織票が岩盤なので僕は嬉しい。

たとえ総投票数が過半数いかなくても選挙に受かれば勝ちなんだ。


「寝ていてくれ」

「太一さん、なにかしら」

蓉子さんが聞いてきたが僕は何でもないといった。


体が鈍い。80キログラムと太ってきている。酒にタバコと飲食の機会が多くて痩せられない。

職業病だな。先輩議員が皆さん肥えているのは職業病の性です。だから僕も悪くない。


ペットボトルの水を一口飲み、さてもう仕事しますかと台に上がり演説をした。


情熱的に繰り返す。耳辺りの良い言葉。

僕は対立候補には攻撃しない。無駄だ。


委員会を寝てた、研修をさぼって観光旅行をしてた、脱税してた、など相手を攻撃しない。無駄だ。


「どうすれば国が良くなるか僕にはわかります。

外国から人を集めても人手不足を解消させます。

外国人の方に参政権をもって貰い様々な意見を頂きます。

LGBTqの方同士で結婚できるようにします。

女風呂にも女トイレにもはいれるようにします。

太陽光パネルを全国津々浦々御家庭の屋根に設置して中国様にお金を献上します。(キックバックは頂きます)

もちろん、使用していない余った土地にも設置して電気を作り地球温暖化をふせぎます。」


ふー、と息継ぎをして演説を終わらせると知り合いから大量の拍手喝采が上がった。


決まった。


二期目いただきだ。


選挙速報で当確が出たのは開票三時間後だった。


「おう、当選おめでとう」

「ありがとう。じいちゃん」


ベッドの上にいるじいちゃんが大分縮んでしまった。


「俺も永くないから今回が最後だ。ブレーンを育てろ。」

じいちゃんの声はしっかりと聴いたが探すのが大変だ。


大学生の男の子でいるにはいるが頭の回転が余り良くないんだよな。


育てられるのか?


僕の頭の回転も余り早くないから辛いところだ。


青木率とかGDPとか数字が沢山あると眠くなってしまうんだよな。


企業献金貰うときとかパーティー券を配るときは楽しいんだけどなー。


先輩議員からアテンダーの連絡先を貰ったけど連絡をしたことはなかった。


これに連絡するときは離婚届けに判子をつくときだと思っている。


ピンクコンパニオンさんいらっしゃーい。


パンティに顔を埋めたいが蓉子様と別れたくないからキャンセルしたよ。


蓉子さんとハッスルした。


三人目御懐妊。


おめでとうございます蓉子さまと僕。

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