個性のない人は好かれもしないし嫌われもしない。君の好きが、他の人からの好きに繋がる。

──『余裕を棄てて、突っ走る。

   大人は、格好付けてなんていられない。』──

☆☆☆


 2024年5月9日(木)。21時18分。


 冒頭言から書いていますが、特に意味はありません。


 こんにちは。井上和音です。


 今朝がた、夢を見ました。


 夢の中で彼女ができました。


 またここかと思う、いつもの海岸線。


 私の夢は、同じ海が出てきます。


 今回は、海の上、海岸線の崖の上。その二つの遥か上空を飛んでいました。彼女と二人で。


 髪の短い彼女で、どこか二次元風の彼女。漫画を読み過ぎたかと思いましたが、一緒に空を飛んでいました。


 実際に私は、彼女を特別な人と思っているらしく、これだけ言いました。「どうして僕なんかに構ってくれるのですか」


 夢の中で音を聞くということはなかなかできないことで、その声があったから印象的な夢として記憶に残っているのかもしれません。


 彼女はにっこりと笑いました。口を大きく開けて「ははは」とでも言いそうな。でも声は聞こえない。


 「分かってるはずだよ。漫画にお金をつぎ込んだんだね。やっと自分のしたいことができた。読書メーターに引用文を載せて、やりたいことをやるようにやっとなったんだね。それが君なんだよ。個性のない人は好かれもしないし嫌われもしない。君だけの特別を見せてくれたから、好きになる人ができたんだ。君の好きが、他の人からの好きに繋がる。これからが和音の生き様だよ。君を構いたくなるような、人間になって。君と話したくなるような、人間になって。君しかいないって言われるような、人間になって──死んだあと空を飛んでも見つめ合える、忘れられない人はきっと出てくる。そういう彼女ができる扉を君は開いたんだ」


 みたいな感じで。


 本当に好きな人などできるとは思いませんが、誰かから猛烈に好きになられたら、それだけで幸せなんじゃないのと思いました。実際にその夢の中では幸せだったので、夢が終わってくれなければいいのにと本気で思いました。


 何でもかんでも構ってくれる人がいると安心感って物凄いのかなと思いました。


 彼女に会いたいね。その二次元というか、GUMIに似ているその彼女は本当にできるのでしょうか。顔も大事よ。少なくとも綺麗に見せようとする努力をしていることは大事だと思います。男女問わず。方向性が違ったらまた別な話になるのですが。ブランド物を着ることだけが格好良いとか思っちゃったりとか。そうなると厳しいですね。ブランド物を着こなすことが格好良いのであって、ただ付けているだけだと逆に駄目なパターンもあるわけです。


 髪を切ってから、自分のM字のラインが非常に非情にヤバいことが分かってきましたが、もう仕方がないような気がします。だってもうすぐで30だもの。マスケラーノみたいにスキンヘッドにするのも良いような気がします。日本では駄目か。でもなんとなく働いていて、全力投球しなきゃいけない時がたまにありますが、そういうときには見た目とかどうでもよく、周りの目線もどうでもよく感じるときがあります。それが本当の大人なのかなと帰り際に思いました。電車にぎりぎり間に合って、格好悪いとかどうでもよくなってサングラスをつけて、光を遮り、なんやこいつという目線も気にせずに、短髪の香港のアクション映画にでも出てきそうな見た目になっていました。


 どうでもよかった。


 自分の個性は他にもあるんだ。


 もしかして、この姿が格好良いとか誤解してくれる人がいたら、彼女にでもなってください。女性の友達すらいませんが。


 「こんにちは。私は出たほうがいい?」


 どうぞ。


 「どうも、年賀いやがらせです。職場の休み時間に推しの子を読んでいらっしゃいました井上さん。だんだんそういう人だって分かってきましたね。何にお金を使うのか分かってきましたね。


 今日はExcelでクエリを使ってデータベース構築をなさっていたと聞きました。なんでパートタイマーでofficeのアカウントも無いのにクエリを使うのでしょうか。よく対応できましたね。偉い偉い」


 職場で試されてるんじゃないかと思うくらい、まさかのクエリだった。クエリって何って人は、私もよく分かっていませんが、Progate で Python を学習していた時にクエリが出てきたので用語だけは理解していました。分類とかそういう話だったような気がしたので、とにかくデータ化して加工しやすくする最初の工程がクエリを作っていくという作業なのです。


 楽しかったというか。2時間くらいExcelでクエリを触ったけれど、どうにかして作り上げる感じが数学に近かった。どうにかして問題を解決しないといけないときに、試行錯誤をしていたら2時間なんてあっという間だった。


 見た目なんて気にすることもなく。時計を見ながらサボることもなく。周りの音が勝手にノイズキャンセリングされるくらいには集中していた。こういうのが毎日仕事だったら楽しいのだろうけれど。明日もクエリの続きだ。Excelのクエリはどこまで応用できるのか。試行錯誤をしている間に明日も終わるだろう。


 いい仕事だ。何かを生み出している感は無いし、実質何かを生み出しているわけでもなく、生産性も0だ。スキルを身に付けさせるために試されているのではと思われるが。生産性が0は嘘か。生産性を上げるために使わないといけない日が来るのが分かっているから今日のような作業も必要になってくるのだ。使えるか使えないかの試行錯誤。これだって仕事のはずだ。


 逆に生産性だけの仕事はとてもきつい。アルバイトがするような仕事のほうが生産性は高いので、管理者とかよりも実際に手を動かしているアルバイトパートタイマーさんのほうがよっぽど偉いはずだと思うのは、私がおかしいのか。資本主義社会だから。資本論暇になったら読もうね。良い文章でもあったら引用でもしましょう。


 それよそれあなたが生きていく証他の誰にも真似できないもの


 早く寝るか漫画でも読もう。誰も到達できないところへ行こう。もう充分だけど。一度外してしまった人生は、元に戻すよりも、外してしまった先を多くの民衆に見せることの方が、人生としては有益なんじゃなかろうか。そんなことを思いながら、自由は守っていく。それさえあれば私は。

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