【論考:哲学】フランキーの言う「存在自体は罪にはならない」は間違っている

──『「五月病かなあ」「気を付けてね」

   「……!?」

   (…)

   「コホンッコホンッ」

   「……! 五月は病気が流行ってるんだから、気を付けないとダメでしょう!」』──

☆☆☆


 2024年5月7日(火)。21時29分。


 タイトルと冒頭言から書いています。


 こんにちは。井上和音です。


 「こんにちは。年賀いやがらせです。タイトルの論考を急に思い付いたらしいですが、頑張ってください。じゃ」


 去らないでください。


 「『存在自体は罪にはならない』。『殺人』という簡単な罪から考えてみましょう。『存在自体は罪にはならない』……1。1が正しいとしましょう。『私がいます。横に誰かがいます。私がいます。誰かが横で死にました。』……(1)こういうシチュエーションはいくらでも思い付くので、1は正しいように感じますね。


 例えば、病室とか。患者の最期を看取る親族とか。親族は誰も罪にはなりません。


 ということは、1が正しいということは、何が罪になるかと言うと、『『殺人』という行為』……(2)が罪になります。


 では井上さん、私を殺してみてください。


 ぎくうっ! グサッ!」


 いちいちシティーハンターを入れんでいいから。年賀らせさんは死にました。


 私は年賀らせさんという人間を殺しました。


 「……と言ったところで、これは行為ではなく思想だし、実際に行為していることはキーボードで指をカタカタ動かしていることです。キーボードで指をカタカタ動かしているのは(2)にはならないので、井上さんは罪にはなりません。


 ところが。思想がなく、殺害する行為があり、死んでしまったという場合はどうなるでしょう。簡単に言えば業務上過失致死傷とかが当てはまるかと思われますが、この場合は何であれ、(2)が入っているので罪になるのでしょう。


 ところが。更に言えば、脳外科医竹田くんの場合はどうでしょうか」


 よく知ってるねそのワード。Xを頻繁に気にしているのかな。


 「脳外科医竹田くんは、医療ミスを重ねて10回。老人や手術が必要な方を死亡させたり、耳が聞こえなくなったりさせてしまいました。この場合は業務上過失致死傷と言えるのでしょうか。


 知識が哲学科の甘ちゃんくらいしかないので、もしかしたら医師免許を持った人間が手術中に医療ミスを犯しても業務上過失致死傷には問われないのかもしれません。


 しかしながら、(1)、(2)を満たしています。しかしながら、それでも裁判中で一発確定の業務上過失致死傷の疑いをかけられているわけではありません。裁判で争い中と書いてありました。争うのは量刑ではなく、そのお医者様に罪があるのかないのかを争っています。量刑だったら既に逮捕されて弁護士に相談しているでしょう。週刊誌の報道によりますと、今でもある病院で脳外科医の部長をしてらっしゃるようですが、罪が確定しているわけでもありません。


 調べてモノを言えと言われそうですね。何で争っているのかは分かりませんが、10人以上も医療ミスで死亡、ないしは障害を負わせておいて即刻罪にはなっていません。医師免許を持った方には業務上過失致死傷が問われないのかもしれません。おこも調べてモノを言えと言われそうですが、焦点はそこではなく、『存在』『行為』の二つが林立している場合でも罪に問われないと言うケースがあるということなのです。


 つまり『行為』だけでも罪にはならない場合があると。


 『思想』は自由が憲法で認められています。『疑似行為』も文字で書いたところで罪にはなりません。脅迫などは、殺人罪は違います。脅迫した行為が犯罪になります。


 次はまた極端な例を出すと、戦争ですね。相手の兵士を、ぎくうっ、ザクッ、で殺した場合は犯罪にはなりません。もはやここには、『存在』『行為』『思想』の全てで殺人がありますが、この場合も罪にはなりません。


 では罪の問題に入ります。法による犯罪行為ではなく、罪と罰です。宗教的な罪でもいいし、自己嫌悪な罪でも構いません。『なんか悪い事したな』という気持ちだけでも構いません。そんな気持ちがあれば『罪を感じる』ということになるでしょう。


 刑量においていえば、『行為』が最も重視される点ですが、例を出しましょう。『あなたの前に敵がいます。敵と喋っていたらなんとなく仲良くなっていました。そこで、味方が敵を撃ち殺しました』……2、としましょう。そこで味方に『何をするんだ!』『こんなに仲が良かったのに殺してしまった』『私がこの国に属していなければ、この人を殺されることは無かったのだろうか』……3、というシチュエーションを考えてみましょう。


 この際、あなたは罪を感じています。しかしながら、『行為』を行ったのは自分の国の兵士である味方、しかしながら他人です。あなたはただ喋っていただけです。ここであなたが罪を感じているのは『私がこの国に属している』……(3の結論)という『存在』の状態に対して罪を感じているのです。味方が敵の兵士を殺したことは、軍の規則にならっただけで、そこに罪を感じることはできません。罪を感じているのは3の結論『私がこの国に属している』という『存在』のレベルで罪を感じているのです。味方である他人からは『何神妙な顔をしているんだよ』『さっさと次へ行くぞ』と言われてその場を立ち去ります。仲の良くなった敵兵の死体を尻目にその場所から退避します。


 つまりは、他人が決める量刑の場合は『行為』が罪になることが前提となるわけですが、他人自分問わずに何が罪だと考える場合には『存在』だって充分に罪の要因となるわけです。フランキーを論破して何になるのと思いますが、論破できているのかもかなり怪しいわけですが、量刑に関しても歴史的に見ても罪になる場合は往々にしてよくあります。


 ナチ党のユダヤ人拘束は、ドイツ第三帝国にユダヤ人がいるという『存在』だけっで他人が決める罪になりました。だからナチ党のようなことは二度と起こさないようにしようねと、世界中で復活してはいけないリスト、ナチスって感じになっています。


 この教訓から世界中で『存在だけで罪にするのはやめようね』というのが主流ですが、移民問題とかどうなるのでしょうか。アフリカから来た違法、というか許可を取っていない移民さんたちがイギリスへ行くと、アフリカへ問答無用でアフリカへ強制送還されてしまう法律がつい最近出来たようです。日本で移民問題はどうでしょうか。ウィシュマさんの問題が、許可を取っていない違法移民の扱いが酷すぎる、という焦点ではなくて、許可を取らなければ『存在すら罪になる』という点です。『罪ではなくて、収容所に入れられただけだよ』と言う細かな人もいるかと思いますが、何年も鍵付きの檻の中に入れられて、いつ出られるかも分からない、自由を完全に奪われた状態の人を罪による罰ではないとどうやったら言えるのでしょうか。


 私が言いたいのは、許可を取らない違法移民も受け入れましょうとかそういうことを言っているわけでなくて、『存在だけで罪になる場合もあるんですよ』とフランキーくんに言いたいわけです。『存在だけで罪にならない』なんてそんな甘っちょろい世界は漫画の中だけですよと。『存在だけで罪にならない』というのを安易に信じるのもよくないのかなと思います。


 これが例えばドイツ第三帝国のような、ある民族を迫害する国ができたとして『存在だけで罪にならない』と大きな声で叫んだところで『罪です。拘束します』という国が出来る可能性は往々にしてあります。先ほども言った違法移民なんかはその典型的な例でしょう。


 更に言えば、先ほどの脅迫に関しても。『脅迫してやろう』という思想の段階では罪にはなりません。『脅迫してやろう』とメールの文章を送った段階で、まだ届いていなければ脅迫の罪にはなりません。相手方に脅迫文が届いた、その『存在』の瞬間に罪は確定してしまうことになります。例えば、井上さんもここに書いた文章が『存在』していることによって、何か罪に問われてしまう可能性は往々にしてあるということです。


 例えば『飲酒運転をしました。街灯がぶわぶわと揺れて面白かったですw』とかここなり、Xなりに書いたとしましょう。もちろん神に誓って飲酒運転などしませんが。昔のバカッターというやつですが、その文章の『存在』だけで罪の容疑がかけれることになるので、ここでも『存在』が罪になってしまう、文章という『存在』だけで罪になってしまうことの例になるのかなと思います。


 バカッターはやめましょう。その前に罪になりそうなことは一切やめましょう。


 やる前から知っている、やっちゃいけないことはやるのをやめましょう。


 というわけで、『フランキーの言う「存在自体は罪にはならない」は間違っている』でした。【論考】にしておきましょうか。今回は哲学なので【論考:哲学】ですね。


 長ったらしい文章を申し訳ありませんでした。お相手は年賀らせでした」


 冒頭言は、一年前に見た、アイドルマスターシンデレラガールズの子役の子の二次創作を思い出して書いてみました。私の発想ではありません。こんな発想の出来る作者様はすごいなと思います。子どもの思考回路を上手く掴んでいて素晴らしいと思います。五月病って言葉を子どもが初めて聞いたら、五月に流行る謎の感染病と考えてもおかしくはありません。子どもの早とちりの場面を上手く切り取った漫画だったのかなと思いました。


 

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