第32話 新たなる宇宙怪人登場!

 ハムケン以外のハムスター達は相変わらず働かない。

「みんな仕事しないの!?」

「借金がなくなったらやる気出ないぞ!」

「まだ働かないッチ!ヤバくなったら働くッチ!」

「僕はまだ修行中なんじゃ!」

 やっぱり働かないのか……

 そういえばコタローはどうだろうか?動画撮ってるみたいだが……

「配信で忙しいっす!今は働けないっす!」

「配信で月給いくらなの?」

「10000円っす」

 頑張って編集してたったの10000円か……

 そうこうしてるとハムケンが帰ってきた!

「ユーキ〜大変なんよ〜」

「ハムケン!どうしたんだ?またバイト先のコンビニが潰れるとかか!?」

「違うんよ。バイト先の店長が、宇宙怪人かもしれない動物飼っているらしいんよ」

「え!店長どんな動物飼っているの?」

「いろいろ飼ってるんよ。しゃべる声は聞こえるみたいなんやけど、どれが宇宙怪人かわからないみたいなんよ!」

 おれ達は店長の家に行って調査してみる事にした。






「いやー久しぶりの戦いっすかね〜!」

「腕がなるぞ!」

 ハムスター達は戦う気満々のようだ。

 ちなみにねここと一休は他の宇宙怪人と戦うのは嫌らしく、今回は来ていない。

 おれはハムスター達をなだめつつ店長の家のピンポンを押した。

「やあ!ユーキ君とハムスター君達よく来てくれた!」

 おれはバイトしてたので店長とは知り合いだ。

 おれ達は家に招かれた。店長が飼っている犬が出迎えてくれた。ソファーの上には猫が寝転んでいる。

「店長!犬や猫はしゃべらないのですか?」

「そうだよ。しゃべるのはこっちの部屋にいる動物なんだ。」

 店長はとなりの部屋のドアを開けた。そこには……

「すごいんよ!動物がいっぱいいるんよ!」

 そこにはうさぎや亀や蛇、それとフェレットがいた。

「この部屋から声が聞こえてくるんだよ!」

 おれ達は調査を開始した。

「まずはうさぎやけん!宇宙怪人うさぎとは一回戦っているけんね〜」

 うさぎをケージから出してみるも……うさぎは何もしゃべらない。

「うーん、うさぎは宇宙怪人じゃなさそうじゃ!」

 こんどは蛇を水槽から出してみた。しかし……

「蛇もしゃべらないぞ!敵意もなさそうだぞ!」

 蛇も違うのか……じゃあフェレットをケージから出してみる。

 店長が首を掴んで出してくれた。今のところは宇宙怪人じゃなさそうだが……

 まずはおれが抱っこする。しかし何も言わない。

 次にコタローが抱っこしようとすると……

「宇宙怪人ハムスターめ!私を抱くなんて!」

 フェレットがしゃべった!

 そしておれとハムスター達は小さくなった……





 戦いが始まっていた。ハムスター達には武器のえんぴつと防具の消しゴムを渡してあって、それを使って戦っている。

 店長は呆気に取られているようだ。

 おれは店長に声をかける。

「店長!ハムスター達がフェレットの動きを止めるので、動きが止まったらケージに入れてください!」

 店長はハッとして

「わかった。頑張って!」

 と応援してくれた。しかしフェレットをどう止めようか……

「爪攻撃がすごいっす!防ぎきれないっす!ユーキ!何か良い方法はないっすか?」

 うーん、どうしたものか……そうだ!

「コタローとハムタクにふたつ消しゴムを持たせて、二人が前線に出て攻撃を防ぐんだ!」

「っす!ハムケン消しゴム貸してくれっす!」

「じゃ!ハムッチ消しゴムくれじゃ!」

 これでなんとか防げそうだ。ハムケンとハムッチとハムニブには何をさせようか?

 おれは後方に下がったハムケンに宇宙怪人フェレットの弱点はないか聞いてみた。

「ほーやね……暑いのが苦手だと思うけん!」

「それなら!ハムケン体が熱くなる道具ない?」

「あるんよ〜3000円ね〜」

 金取るのかよ!だが、払うしかない……

「その道具を使って三人でフェレットの体を熱くするんだ!」

 おれの作戦をハムスター達は実行しようとしていた。しかし……

 確実に成功させないと……そうだ!

「三人ともハムビタンZを飲むんだ!」

「1800円なんよ〜」

 また高くなってる……しかし払うしかない……

 コタローとハムタクがヘイトを向けられているうちに、ハムビタンZを飲んだ三人が熱くなる道具を使っていった。その道具は振りかけて使うようだ。

 フェレットの動きがだんだん鈍くなっていった。そして……

「動きが止まったんよ!店長!今なんよ〜」

 店長がフェレットの首を掴んでケージに入れた!

「おいら達の勝ちっす!」

 おれはハムスター達と喜んだ!




 その後店長に夜ご飯をご馳走になった。

 宇宙怪人フェレットはこれからも飼い続けるらしい……しかし大丈夫なのだろうか?

 そして帰り道の時……

「ユーキ、亀がいたじゃないっすか。あの亀もおそらく宇宙怪人っす。」

「え!マジで!なんでその場で言わなかったの!?」

「敵意がなさそうなんで、言わなかったっす。」

「宇宙怪人カメとは多分戦わなくていいぞ!」

「そ、そうなんだ……」

また心配事が増えてしまった……面倒な事にならないといいけど……

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