第11話 ハムッチの機嫌を取るゲーム

「新しいゲーム買ってきたッチ!」

 ハムッチはそう言って凄い勢いで部屋に入って来た。

「そうなんだ。何買ったの?」

「ヤベオパーティだッチ!」

 ヤベオパーティは双六とミニゲームを遊べるゲームだ。ソフト一本で四人で遊べる。

「みんなでやろうッチ」

 今、部屋にはコタローとハムケンがいる。

「じゃあこの四人でやる?」

「まあ、いいっすよ」

「やってもいいんよ」

 二人はあまり乗る気ではないようだ。その理由をハムケンが教えてくれた。

「ハムッチはゲームだと切れやすいんよ。うまく機嫌を取りながらゲームせないかんよ」

そうなのか……うまくやらないと……





 そして四人でゲームが始まった。ハムッチは今は上機嫌だ。

 この双六では、星を多く集めたものが勝ちだ。星を手に入れるにはお金がいる。そのお金はミニゲームで勝ったらもらえる。

「星がもらえるところまであとちょっとッチ!でもお金がないから次のミニゲームでは絶対勝つッチ!」

 次のミニゲームは勝たせてあげた方が良さそうだ。しかし選ばれたミニゲームは……

「ヤベオ大爆発だっす。これ運ゲーっす」

 順番に何個かあるスイッチを選んで押していき、爆発した人が負けの運ゲーミニゲームだ!これは負けてあげる事は出来ない!

「まず私ッチ!1番だから大丈夫だと思うッチ」

 ハムッチは1番左のスイッチを押した。しかしハムッチは一発で大爆発のスイッチを押してしまった……ハムッチは負けた……

「これじゃあ星買えないッチ!なんでなんッチ!!」

 ハムッチの機嫌が明らかに悪くなった。これ以上悪くならなければいいが……





 ゲームが始まってしばらく経った。ハムッチはサイコロでいい目が出せずミニゲームも勝てない。今ハムッチは四位だ。

「今回、運悪すぎッチ!」

 ハムッチの機嫌はかなり悪くなってきている……しかしハムッチはサイコロでいい目を出し、次のターンに星を買えるところまできた! しかしハムッチはお金が足りない。

「ユーキ、次のミニゲーム負けてあげた方がいいっすよ」

「ワシもそう思うんよ……」

 おれもコタローとハムケンと同じ気持ちだ。次は負けてあげよう……

 ミニゲームは2対2のものが選ばれた。おれとコタローのペアとハムケンとハムッチのペアが戦う事になった。内容はボブスレーでレースするものだ。

「ユーキ、このミニゲームは一回落ちたら復活出来ないっす」

「じゃあさっさと落ちよう……」

 おれ達はコースにある穴に速攻で落ちてあげた。あとはハムッチ達がゴールするだけだ!





 しかしハムケンの操作が危うい。ハムッチは声をかけてゴールしようとしてるが……

「ユーキ、最後のコーナーっすよ!」

「しかし両側に壁がないよ!ゴール出来るんか?」

 おれ達はゴール出来るように祈った。しかし……

「曲がりきれないんよー!!!」

「ハムケン!右!右ッチー!!!」

 ハムケンとハムッチの頑張り虚しくコースアウトしてしまった

「お金もらえないッチ!星買えないッチ!」

 結局次のターンハムッチは星を買えなかった。ハムッチの機嫌は悪くなるばかりだ……





 ハムッチは四位のまま双六は終わった。しかし勝負は最後までわからない。止まったマスの回数によって星がもらえる。

 まずはマイナスマスに止まった回数で星がもらえる!

「これは多分もらえるッチ!」

 ハムッチは結構止まっていた。これはもらえるかも……

「あれワシがもらえたんよー」

 なんともらえたのはハムケンだった。そういえばハムケンも多く止まっていたっけ……

 次はハプニングマスに止まった回数で星がもらえる!

「これはもらったッチ!」

 ハムッチが選ばれてくれとおれは祈った。しかし……

「あれおいらっす。そんなに止まったかなっす」

 コタローが星をもらった。これで、星がもらえるボーナスは終了だ……





 結果発表だ……ハムッチはぶっちぎりで四位だった。

「頑張ったのになんでッチ!!!ふざけんなッチ!!!」

 ハムッチはかなり怒ってる……そして怒りに任せてコントローラーをテレビにぶん投げた!

ガシャーンと音してテレビが壊れた!多分コントローラーも無事ではないぞ……

「なにやってんのハムッチ!テレビ壊れたよ!」

 おれはハムッチを怒った。ハムッチは少し冷静になって……

「やっちゃったッチ…どうすればいいッチ……」

「父さんと母さんに謝りに行こう……」

 ハムッチといっしょにおれは謝った。お金が稼げたら弁償するという事にして許してもらった。テレビは良いやつだったのでハムッチとおれは10万円の借金が出来てしまった……

 この借金はいつか返せるのだろうか?

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