第9話 ハムタクの料理道
ハムタクは貰った給料で料理の食材を買ってきてくれて、みんなに料理を振る舞ってくれるようになった。
「ハムタク今日の料理も美味しいよ!」
「そうかじゃ」
その次の日の事だった。
「ユーキ相談があるじゃ!」
ハムタクが相談?なんだろ?
「どうしたの?」
「実はお店で修行がしたいんじゃ!」
「そうか……でもハムタク、宇宙怪人ハムスターだろ。雇ってくれるところあるのかな?」
宇宙怪人ハムスターの毛は料理に入ったりする。正直料理屋は厳しいと思うが……
「でも僕お店で働きたいんじゃ!やってみないとわからないんじゃないか?」
ハムタクの言う通りだ。おれ達は料理屋の求人を探す事にした。
まずは旅館の求人に応募してみた。なんとか面接までしてもらえる事になった。
「ハムタク、面接どうだった?」
「それがダメだったんじゃ。毛がふさふさだからダメなんじゃって」
ほかの旅館やホテルに応募しても、面接まではしてもらえるけど、料理に毛が入ってしまうかもしれないという理由で雇ってくれなかった。
うーん。なんとかハムタクを雇ってくれるところはないだろうか?そうだ!
「ハムタク、大手チェーン店に応募してみないか?」
「チェーン店かじゃ。この際雇ってもらえるならどこでもいいんじゃ!」
ハムタクは大手チェーン店のハム家という飲食店に応募した。
心配なのでおれも応募してみる事にした。
面接の日がきた。おれ達は家の近くのハム家に行った。
「今度こそじゃ!頑張るんじゃ!」
ハムタクは気合が入っている。そうこうしてるとハム家に着いた。すぐに面接が始まった。店長が現れてこう始めた、
「はい、まずはユーキくんからね。ホール出来る?」
「ハイ!以前にやった事あります」
おれはいろんなバイトした事ある。もちろん飲食店のホールもした事がある。
「じゃあ合格ね〜明日から来てね」
あっさり合格した。ここまでは予想どうりだ。問題はハムタクだ……
「じゃあ次はハムスターの方ね〜」
「はい!よろしくお願いします。じゃ!」
きた!大丈夫だろうか?
「名前はハムタクくんか……調理をやりたいんだよね?」
「はい!家では調理してます。じゃ!」
「うーんでも大丈夫かな?毛が料理に入ったりしないかな?」
「たぶん大丈夫です。じゃ!」
「そうか…まあ今うちバイト足らないし…ハムタクくんも合格ね〜」
「働かせてくれますか?じゃ!」
「明日から来てね〜」
ハムタクも合格した!明日から頑張るぞ!
そして次の日……ハムタクは店長に調理を教わっていた。
「ここは、火を強火にして一気に焼き上げるんだよ〜」
「はい!じゃ!」
ハムタクは次々と仕事を覚えていった。ちなみに毛が入らないようにハムタクは大きめの制服を着ている。
一週間も経ったらおれ達は店長抜きでも店をまわせるようになった。
そんなある日の事だった。
「今日は暑いんじゃ!ユーキ!制服脱いでもいいかじゃ?」
「ダメだよハムタク!毛が入るよ!」
ハムタクが制服脱がないように気をつけないと!そしてお昼の書き入れ時がやってきた。忙しくておれはハムタクの事を見れてなかった。そんな時
「熱い!熱い!熱いんじゃ!」
厨房から叫び声が聞こえてきた。
「ハムタクどうしたの!?」
急いで厨房に行くと、ハムタクと鍋から火が上がっていた!
「やばい!」
おれは消火器を取り出して、ハムタクの火を消した!
「ハムタク生きてるか!?」
「なんとか生きてるじゃ……」
ハムタクの火は消せたが、鍋の火は消せなかった。おれ達はお客さんといっしょに店の外に避難した。
「大変な事になってしまった……」
おれは途方に暮れた、消防署には連絡したが、火の周りが早い……火は店全体に回っていた。店の周りには家なんかは建っていないので、燃え移る事はないが……
「ハムタクなんで燃えちゃったの?」
「暑いかったから、制服脱いで調理してたら毛に火がついちゃったんじゃ……」
「マジか……」
そうこうしていたら店長がやってきた。おれ達は店長に何があったかを説明した。
「火事になっちゃたから僕と君たちはクビだよ……
店長はがっくりして言った。消防車がやってきて火は消してくれた。しかし店は全焼した。店長はクビにはならなかったが、おれ達はクビになった……ちなみににハムタクは一週間もしたら焼けた毛は抜けて、新しいふさふさな毛が生えてきた。
宇宙怪人ハムスタータフすぎだろ……
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