第8話 追っかけコタロー

 ハムスター達は給料を貰って嬉しそうだ。全部使えるわけじゃないが……半分は家に入れないといけない事になったので、残り半分自由に出来る。




 しかしコタローはまだ使ってないようだ。

「コタローなんで給料使わないの?好きなアイドルのCD買うんじゃないの?」

「CDでもいろいろなバージョンあるっす。どれを買えばいいかわからないっす……」

 CD買うにもいろいろあるようだ。そうだ!

「直接ライブに行ってさ。握手券付きのやつ買えばいいんだよ。そしたら握手もできるしさ」

 コタローが好きなアイドルはご当地アイドルのハムプチズだ。すぐ会いに行ける。

「それいいっす!でもおいら宇宙怪人ハムスターっすよ。受け入れてもらえるっすか?」

「なにを今更。もう宇宙怪人ハムスターは世間に受け入れられているよ」

「そうっすか?でも愛ちゃんに会いたいっす!」

 おれとコタローはハムプチズのライブに行く事にした。おれはコタローが暴走してグッズを買っちゃうのを防ぐ役割だ。





 おれとコタローはハムプチズのライブにきた。ハムプチズは四人組ユニットだ。コタローはその中でも愛という子が好きだ。

「おいっす、おいっす、おいっっっっすー!!!」

 コタローはかなり盛り上がっている。周りのファン達にもコタローは受け入れられている。しかし宇宙怪人ハムスターを受け入れられない人はいないのだろうか……

 そしてライブが終わった。

「楽しかったっす!何度でも来たいっす!」

 コタローは満足したみたいだ。おれ達はCDを買うため物販コーナーへ行った。そして握手券付きCDを買った。

「握手行ってくるっす!」

 コタローはウキウキで握手コーナーへ向かった。

「ハムスターさん始めて来てくれたんだね。ありがとうー」

 愛ちゃんにも受け入れられた。良かったなコタロー!

「行ってきたっす。大満足っす!」

 その時、スタッフさんの悪魔のささやきが聞こえた。

「ハムプチズのチェキ会始まります一枚2000円です!」

「チェキ会行くっすー」

 おれは吸い込まれそうになったコタローを毛を掴んで止めた。

「行くなコタロー!また自動車工場で働きたいのか?」

「働きたくないっす。こりごりっす!でもチェキも撮りたいっすよ!」

「あんまりお金を使うのはやめとけ」

「でも行きたいっす!!!」

 コタローはチェキ会に向かってしまった。まったく困るのは自分だぞ!




 チェキ会も終わり帰ろうとした時だった。

「僕達地元のローカルテレビです。お話を聞かせてほしいのですが?」

 なんとおれ達に取材だと!取材を受ける事にした。

「ハムプチズはいいっす!最高っす!」

コタローはハムプチズの良さを語りに語った。

「ありがとうございました。」

 取材が終わった。まあローカルテレビだから大丈夫だろう。っとおれ達は思っていたのだが……

 宇宙怪人ハムスターが日本語でしゃべる姿は視聴者を驚かした!取材の様子はすぐネットにupされ多くの人達が宇宙怪人ハムスターの事を知る事になった!

「有名になっちゃたっすねー!ライブに行くとハムプチズよりも注目されるっす!おいらを見るついでにハムプチズを見に来てくれる人もいるっす!」

 コタローはライブに来る人が増えて嬉しそうだ。しかし有名になってしまった。今後面倒な事にならないといいのだが……

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