第2話 なんだこのゴミゲー!!!

うねうね動いてようやく部屋の扉に付いた私。そこであることに気付いた。そう、扉を開けられない。一応JKだったんだけどな!?恥とかプライド全部捨てて、めっちゃ頑張って芋虫歩き(?)をしたのに………、最悪だ。ま、まぁ、この部屋内一切探索してない訳ですし、きっとこの部屋に私が扉を開ける力を得るための秘密があるはず。

とはいえ、だ。こんな埃っぽいところからはやくおさらばしたい。だからといって雑に探索したら、確実に見落としができる。………?なんで、こんなに埃っぽいところにいるのに、ハウスダストが暴れないんだろう?………。あっ、今私、人形だ。やった!これ、ハウスダストどころか花粉症にもならないんじゃない?嬉しすぎる。もうはりきってお部屋探索しちゃう!!!

まずはベッドかな。いかにもお嬢様が寝ています、みたいな天蓋付きベッド。埃まみれじゃなければ間違いなく寝てた。………特に仕掛けはないかな。じゃあ次、サイドチェスト。なんか入ってるやろ。

ガラッ

これは………、日記?

ぱらり、と開いてみる。見たことの無い記号がいっぱい並んでいた。風化してほとんど読めないが、これを見ていると異世界に来たんだな、という気持ちが強くなった。もう、オタ活できないんだ。悲し。

ん?これは………。何の気なしにぱらぱらめくっていると、血の跡があった。他のページと比べてトップレベルに読みにくく、何も分からない。が、血の跡からこの日記の持ち主は殺されたんだろう、と推測できた。この日記の持ち主があの世でもこの世でもいいけど幸せに過ごせてればいいな、と柄にもなく心からそう思った。

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