第3話 OKGoo〇le魔法教えて!

さて、ベッド近くは探索が終わった。多分お嬢様みたいな人の寝室だったのだろう。軽く本棚がある。そちらに行けば、なにか手がかりがあるだろうと思い、ずるずる移動した。

自分の体重を支えられないことを忘れていたっ!1番下の段なら取り出せると思っていたのにそれすらも取り出せない。ほんとに詰みか、くっ、もう少し筋力があれば………。あ、まだ私生まれたてなのか。だから歩けないんだ。きっとそうだよね、うんうん、なんで気付かなかったんだろう。さぁ歩く練習、いや、立つ練習を始めよう!!恥を捨てて赤ちゃんのようにじたばたしながら立つ練習だー!




何日たっただろうか。ようやく立てるようになった。これで、これで本を取り出せるようになるはず。

スッ

いけたーーーーーっ。めっちゃ頑張ってたから嬉しすぎる。とりあえず本をっ、本を開いて………。あれ?さっきの日記よりも廃れていない?なんでだろう、そう思いながら目次を見てみると、そこには、「上級者向け 火魔法」と書かれていた。すごい、日記で見たあの見たことない記号の羅列なのに意味が分かる。気持ち悪っ。なんでわかるんやろなぁ………。あ、能力の言語文化か。読めるとはいえ、上級者向け、と書かれた魔導書だ。初級者用の魔導書を探すか、殺傷能力の高そうな別の魔法の魔導書の方がいいだろう。そう考えて必死に本棚から本をバサバサ落としていった。



ようやく本を全て落とし終わった。ったく、図書館でもないのに多すぎるんだよ。さすが豪邸の一室だ。1冊1冊本を確認していると、魔導書とその他の本で見た目が違うと分かった。同じ年月、ここに放置されていたはずなのに、魔導書は一切、廃れていないのだ。この違いを利用しない手はない。さっきよりも本の仕分けが早くなり、最初に覚える魔法を決めた。「初級者用 呪魔法」である。ここにある初級者用の魔導書がこれしか無かったというのもあるが、自身が呪人形のため、相性が良さそうだと思ったのだ。……………。なんとなくは分かった。初級者用ってのもあって呪いについても書かれていた。呪いとは、邪神【ラグナロク】が作り出したものであり、使える者は限られること。使える者は、死後、邪神【ラグナロク】の元で、死後の生活を楽しめること。まとめるとこんなものだろうか。この世界に来る前に女神様的な人が倒せと言っていた邪神と繋がりが強そうな私。クラスメイトがどうなっているか知らないが、次会ったら殺されかねないよな。だって呪人形だもんな。強くなって、あいつらに殺されないようにならなきゃ。そのためにも、もっと、自分を知らなきゃ。漠然とした目標から、この世界でクラスメイトに殺されない、という明確な目標ができた私は、さっきよりも集中して本を読んでいった。




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