第4話 食事制限してるわけじゃない!
「お弁当はそれだけなの? 家ではごはんをしっかり食べてますか?」
これ、よく担任の先生から言われた言葉だなぁ。1回の食事の量が、食べ盛りの集団の中で目立って少なかったのだからやむを得ないか。わたしは胃腸があまり丈夫じゃなくて、下痢を起こしやすい体質なのに加えて、皮膚にアレルギーがひどく出てしまう時もある。だから、食べられない食材が多いというのは事実。
つまり「好き嫌いが激しい子」っていうレッテルが貼られてたんだと思う。例えば、豚肉やもつ(内臓系)、鶏卵、魚卵、そば、トマトなどは今でも食べられない。甘ったるいお菓子類も総じて苦手。胃袋があまり大きくないせいか、ごはんのお代わりをめったにしたことがない。こんな体質で食べられるものが限られていたせいか、慢性のビタミン不足だったのかもしれない。
そのせいか、「ものもらい」(目ばちこ)が良くできて、眼帯姿で登校することも多かった。これも、周りからは色々言われるのよね。
わたしの学校は私立だったので、給食じゃなくて母が作ってくれたお弁当を持参していた。食べ盛りのはずの中学後半になっても、お昼の弁当箱の大きさが人の半分くらいしかなかった。嫌みではなくて真顔で「ほんとうに食べないんだね。モデルの仕事って、食事制限とかそんなに大変なの?」って聞かれたこともある。
そういうときは、きまって言い訳した。
「ううん、私っていっぺんにたくさん食べられないの。胃が小さいからかなぁ……だけど、1日5回食らいに分けて食べてるから、ぜんぜん平気。弟も同じなのよね。おうちに帰ってから、たくさん食べてるのよ」
ウソをついたのは、弱みを見せたくないって気持ちだった。でも本当は「わたしだって、もっと太りたいのよ!!」と心は叫んでいた。
誰よりも「人並みの体つきになりたい」って願ってる。痩せすぎなのは、食べられる量が少なくて、その上、体調不良にならないために食材を選んで食べなければいけないから。これでは、どう頑張ってもなかなか太れないのでした……。
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