第17話 冒険者会議議事録②

【第七十五回 ヘルガート冒険者会議 議事録】


冒険者1

⇒どうだ皆、整っているか?


冒険者2

⇒もちろん、整っているぜ。


冒険者3

⇒いや~整うって最高だな。依頼は上手くいくし、なんか余裕が生まれたよ。


冒険者4

⇒俺さぁ、狙ってた女冒険者に仙人水をプレゼントしたんだよ。一か月分。そしたら滅茶苦茶感謝されてさぁ。それ以来、仲が急接近して……。


冒険者5

⇒まさか……、お前……。彼女が出来たのか……!?


冒険者6

⇒あぁ。今では二人、仲良く壺会員だよ。


冒険者7

⇒うおおおおおぉぉぉぉぉ……!! マジかぁぁ。俺も仙人水始めてみるかなぁ。


冒険者8

⇒俺の壺バッチ、シリアルナンバーが丁度100なんだぜ? いいだろう?


冒険者9

⇒羨ましい……!!


冒険者10

⇒……さて。そろそろ本題に入ろう。ゴブリンキング討伐隊についてだ。


冒険者11

⇒ミハエルの坊ちゃん隊長が務まるのかねぇ?


冒険者12

⇒とは言っても、他に適任はいないだろう。


冒険者13

⇒報酬はゴブリン一体につき銀貨三枚。百体で金貨三枚かぁ。まぁ、通常の報酬と比べたら三倍以上だから、美味しいっちゃ美味しいんだよなぁ。


冒険者14

⇒ただ相手の数が読めないからなぁ。少なくとも五百人規模の冒険者が参加しないと厳しいんじゃないか?


冒険者15

⇒ギルドは影響力のある冒険者に声掛けしているらしい。B級以上が参加を表明したら、それに続く冒険者も増えるだろうな。


冒険者16

⇒俺はアミラフ姐さんが参加するなら、参加するけどな。


冒険者17

⇒お前! 抜け駆けは許さんぞ!!


冒険者18

⇒いいよなぁ。アミラフ姐さん。褐色の肌にウェーブのかかった銀髪。そして何よりあの胸……。たまらん……。


冒険者19

⇒でも。アミラフ姐さんはツボタの奴隷だぞ? ツボタが参加しないと無理じゃないか?


冒険者20

⇒ツボタ達は最近、あまり魔の森で見ないからなぁ。厳しいんじゃないか? この前話したら「修行が忙しい」って言ってたぞ? なんの修行かは教えてくれなかったけど……。


冒険者21

⇒いや。ツボタは壺会員を増やすためなら何でもするだろう。今回、討伐隊の隊長はミハエル様だぞ?


冒険者22

⇒なるほど。奴にとって、チャンスというわけか。領主と近付く……。


冒険者23

⇒そして俺達にとって、アミラフ姐さんと野営するチャンスでもある……。


冒険者24

⇒なんとしてでも、ツボタを説得しなければな。


冒険者25

⇒ハッサン辺りに声を掛けさせよう。あいつ、壺バッチのシリアルナンバー1だからな。


冒険者26

⇒最初はツボタのことを馬鹿にしていたのに、今は熱心な壺会員だからなぁ。ハッサンは。


冒険者27

⇒ところで討伐隊にはアスター教の司祭や助祭は参加するのか?


冒険者28

⇒あぁ。カーディ子爵家が費用を払って、討伐隊に同行するらしい。ポーション代も子爵家持ちだとか。


冒険者29

⇒さすがに今回はポーションを用意せざるを得ないし、アスター教はボロ儲けだなぁ。


冒険者30

⇒ドラッチオ司教の笑顔が目に浮かぶぜ。あんなに金に汚い奴、商人でもみたことないぞ。


冒険者31

⇒アスター教の批判は慎むように。

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