公募原稿でやらかした、基本的すぎる検討漏れ

 相も変わらず公募原稿の締め切りに追われている日々です。

 ようやく初稿も後半に入り、あと8000~10000くらいでエンドマーク付くかな……というところまで進みました。

 ただ既にいくつか、失敗したなーという点も見つかっていて、締切当日の土曜日は丸一日かけて全力で手直しをする必要がありそうです。

 中でも、初稿でいちばん失敗したなーと感じている点について、雑記のネタにしてみます。



 以下、書き途中の原稿から会話パートを一部抜粋しました(間の地の文は削っています)。


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「ああ、でも早く逃げなきゃ。人さらいは、きっと仲間を連れて戻ってくる。その前に遠くへ逃げないと」


「アン、ひとつ訊いていいかな。あの人、本当に人さらい? アンに何か言いたそうだったし、悪い人には見えなかったけど」


「シュテルツェ。人間を、簡単に信じちゃだめだよ。人間はすぐに嘘をつくから。まずは疑ってかからなきゃ」


「どっちにしろ、ここでじっとしてる意味はないから……先に進むよ、アン」

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 主人公の女の子(シュテルツェ)と、パートナー役の妹(アン)との会話場面なのですが……コピペしながら痛感しています。われながら読みにくい。

 読んでみておわかりかと思うのですが、二人の口調をほぼ同じに設定してしまったんですよね……そのせいで台詞が混ざる混ざる。

 あまりにも読みづらいので、推敲時にはどちらかの口調を全交換するつもりでいます。アンはフランクな感じの子なので、変えるとしたら主人公の方かな……。

 ためしに、主人公側をですます調に変えてみます。


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「ああ、でも早く逃げなきゃ。人さらいは、きっと仲間を連れて戻ってくる。その前に遠くへ逃げないと」


「アン、ひとつ訊いていいでしょうか。あの人は本当に人さらいですか? あなたに何か言いたそうでしたし、悪い人には見えませんでしたが」


「シュテルツェ。人間を、簡単に信じちゃだめだよ。人間はすぐに嘘をつくから。まずは疑ってかからなきゃ」


「いずれにせよ、ここに留まっている意味はありませんね……先に進みましょう」

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 だいぶ読みやすくなった気がします。たぶん。



 実のところ、推敲段階での口調全交換はこれが初めてではなく、このメンズコンに出していた「天翔翼臣伝 白の貴公子は比翼の友と天を翔ける https://kakuyomu.jp/works/16818093073351900944 」でもやっていました。

 この時は有償講評で、主人公とパートナー役のキャラが被っているので区別した方がいい……と言われ、パートナー役の周碧海さんを「一人称俺/だ・である口調」から「一人称私/ですます口調」に全面変更しました。おかげで、キャラの対照性は強くなってくれたように思います。


 読みやすさの面でもキャラ立ての面でも、口調の区別って大事な気がするのですが、なんでいつも考慮が至らないのかなあ……と、ちょっと遠い目になっています。

 私は設定集的なものを作らず、各種設定の細部は、プロットや本文の作業中に出てくるに任せるタイプなのですが……こういう「書き分けポイント」に関しては事前に設計した方がいいのかもしれない、とちょっと思いはじめています。推敲段階での全交換は、さすがに労力が無駄すぎる気がするので。


 いずれにせよキャラ口調、文字情報しかない小説での貴重な書き分けポイントだけに、もうちょっと事前に検討しておきたいものです……。

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