第2話
「べにはが太ったって言ってたよ。健康診断で体重量ったら、去年よりも2キロ以上増えてたって」
料理しながら、
「本当かな?」
そりゃ若干おへその周りがもっこりしてきたなとか太ももがむちむちしてきたなとは思っているけど、太ったとは思っていない。
でもべにはが言うなら本当なんだろう。
私は起きている時間が少ないから身体の変化を感じにくいかもしれないし、それなら実際に体重をはかったべにはの言うことが正しい。
「それでべにははこれからダイエットするって言ってたよ。食べる量を減らして運動するって」
「うまくできるかな?」
べにははインドアだって聞いたことがあるような気がする。そこでべにはがダイエットのために運動できるかどうか、それは私には分からない。
「だよね。それよりもますます太りそうな気しかしない。べにはもどんどん年を取っていくわけだし」
「そうだね。じゃあ私もダイエットした方がいいかな?」
食事と寝ること。私はそれくらいしかしていないから、今までダイエットにあまり貢献しなかったかもしれない。でもカロリーが低い物を食べたり運動したりと、ダイエットに貢献できることが私にもできるはず。
「もみじはほとんど食べていないから大丈夫だよ。太っているなら、それはべにはのせいだって。べにはがポテトチップスやココナッツサブレとか、夜に甘いジュースをいっぱい飲んだんだよ。だからべにはがダイエットしたら良いんだ」
夕占さんはそう断言して、夕ご飯の準備を始める。当然のように、私も夕食の準備を手伝う。
色の薄い豚肉と野菜炒め、きゅうりのごまみそあえ、スナップエンドウをゆでたもの。
「今日は低カロリーな食事だね」
ダイエットに向いていそうな、がっつりというよりもあっさりとしたメニュー。これだときっと少し食べ過ぎても、カロリーをあまり取らないかもしれない。
「まあねダイエットは大事だし。あたしも太ってきたなと思ってたから」
夕占さんは太っているようには見えないけど。多分これはべにはや私に気をつかってくれているんだろう、多分。
「そうだね」
起きている時間が少ないとはいえ、お腹が出てきたり太ももの肉割れが悪化したりしてしまうよりは、痩せている方が良い。
最近はるっきずむだったっけ? 見た目で判断するのは問題らしい。でも痩せている方がいいという考えがすりこまれているからか、私は太ることが好きじゃない。どっちかといえば太っているよりも、痩せている方が良い。
「ヨガとかストレッチとか、した方がやせるかもしれない」
「そーね。じゃああたしと一緒にやってみる? あたしもダイエットしたいし」
どうやら夕占さんはべにはや私のダイエットに付き合ってくれるらしい。
夕占さんは太っていないから、ダイエットは必要ないはずだけど。私と一緒に運動してくれるなんて、夕占さんは本当に優しい人だ。
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