6-1
死にたい。目覚めた瞬間に、この言葉が頭に浮かんだ。
仕事がうまくいっているわけがない。いくら障害があって苦しくても、他の人と同じように頑張らないといけない。障害があるからみんなと同じようにできませんだなんて単なる甘え。無理でも頑張って頑張って、頑張りに頑張りを重ねて、仕事以外のことを全て捨てて頑張らないといけない。
それに給料だって、ちゃんと払われているわけがない。
一応給料が出ている時間は9:30~16:30のうち、昼休み1時間を除いた残りの時間。
でも実際には9:05から仕事の準備を始めることがあれば、終礼が長引いて16:35を超えても後片付けが終わっていないこともある。特に終礼は給料が出ていない時間であるにも関わらず、みんなで集まって連絡事項や何かの研修でやってきた他者のお偉いさんの話を聞かなくちゃいけない。すなわち人の話を聞くボランティアタイムが業務と後片付けの間にあるってこと。
ちなみに9:16でタイムカードを押したら9:30になるし、16:45でタイムカードを押したら16:30になる。要するに9:16から9:30までと、16:30から16:45までは基本的に準備や仕事をしても、意味のない時間。でもこの無給タイムに休めるわけじゃないのが辛いこと。仕事の準備、片づけ、終礼、こういうのがあるからさ。
そのうえに会社の昼休みだって、完全に休めるわけじゃない。昼休みにエクセルでどんな仕事をいつからいつまでしたか入力、通称時間入力をしなくちゃいけない。それに加えて時々昼休みに仕事関係のアンケートに答えたり会社のパソコンに届いたメールを確認したり。とにかく昼休みが休める時間、そんなわけがない。私のような障害者雇用は、健常者枠の上司みたいに、昼休みをスマートフォンいじりで潰せるわけがない。
仕事は基本的に辛くて苦しいことしかない。そのうえで労働時間もちょろまかされている。いくら大手の会社の特例子会社の障害者雇用でも、完全なサポートを受けて仕事をできるわけじゃない。自傷でメンタルを調整して、日常生活は疲労でできることが少なくて、それでも頑張らないといけない。
考えるだけで気が滅入ってきたので、何か音楽を聴こうかな? そういえばCDラジオ、CDを聞くことが出来る機械が壊れてたんだって。せんとくん、マスクドDJ雷音、ならどっとFM、くまもんのシールが貼ってあり、そのうえで赤十字の赤い羽根も貼ってあるCDラジオ。これラジオはばっちり受信するけど、CDを受け付けてくれない。そこでCDを聞くことができるラジオを買わなきゃとは思うんだけど、なかなかできない。
スマートフォンだってそうかもしれない。パソコンだって買い換えたい。パソコンはいつからあるか分からないし、スマートフォンは4年くらい使っている。そこでCDラジオ、パソコン、スマートフォンを買い換えなくちゃいけない。
でも買い換えるためにお店へ行こう、お金を用意しよう。そのことがうまくできない。そして何よりも体が動かない。
とゆうことで目覚めた瞬間だけど、また眠りたくなってきた。何よりももう2度とこのまま目覚めたくない。
このままずっと眠り続けて、もう2度と目覚めない。これが一番いいような気がしてきた。少なくともこのまま生き続けていたって、幸せになれるなんて想像すらできない。
ストレスを仕事でためにためて、ストレスを自傷で発散して。ぐーるぐーる。その繰り返し。仕事の辛さは腕をつねる痛さでごまかし、ふくらはぎや足をかき壊すことによって仕事の苦しさから逃避する。そこでぼろぼろの心と、傷としみだらけの肌しか残っていない。きれいな心身なんて、私は望むことすら許されない。
もう死んじゃったら良いんだ。死ぬしかないんだ、私には。
仕事なんてAIのように正しく手順通りにすることだけが大切で、自分の考えなんて基本的にはいらない。そう人間っぽさは職場にはいらない。大事なのはAIっぽさだけだ。
とまあ辛い仕事で苦しい平日。それがつもりにつもって、休みの日を圧迫している。だから私の息苦しさはどうしようもない。
少なくとも仕事をしている以上は、死にたいと思わない日なんてない。
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