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 きゃべつ、たまねぎ、ベーコン。これらを炒めてから、解凍したあさりと一緒に牛乳で煮込む。


 煮込んでいる間に、鶏肉の挽肉とたまねぎを炒める。味付けはめんつゆで、賞味期限がきれた溶けるチーズとキムチもいれる。もちろん溶けるチーズとキムチは未開封だし、賞味期限だからよく炒めたら大丈夫でしょう。


 煮込んだり炒めたりすることは単純作業。それをしつつ、今日のことを思い出す。


 朝起きてからオリンピックの開会式を見た。夜は寝る物だから、生の開会式を見ることは当たり前のようにできなかった。でもそのかわりにABCで放送されている録画バージョンの開会式を見たのだ。これは後で知ったことだけど、私が見た録画バージョンの開会では問題となったシーンがカットされていたらしい。例えば国名を間違えられたことや、首や血などR-18Gになりそうなこと。でもABCじゃなかった、この番組を放送している局が丁寧に動画編集をしてくれたおかげで、私が見ている録画バージョンの開会式は素敵な感じの仕上がりになっている。


 そのあとでスーパーへ買い物しに行った。今日の夕ご飯の材料、それからスムージーを買う。最近は紙パックに入ったスムージーが気に入って、特にビタミンCやビタミンBが入っているのをよく選んでしまう。そっちの方がおいしい味なのもあるけど、なんかビタミンBが栄養はありそう。そこで他のスムージーを飲むことは今のところあまりない。


 帰宅してからは、読書をする。『怪盗クイーン』の最新刊、『ミモザの告白』の最終刊、『聖女に嘘は通じない』の2巻、それから最後に『地球星人』という真面目そうな文庫本。


 1番衝撃的だったのは『地球星人』で、なんか普通や常識を守っていて幸せになれるのかについて考えてしまった。1番面白かったのは『怪盗クイーン』の最新刊、はちゃめちゃなようできれいにまとめられて、そこがおもしろかった。


 実は小学生の時からはやみねかおるさんの本を読んでいて、大人になった今も青い鳥文庫の『怪盗クイーン』シリーズを読んでいる。そこで実は私、かなりはやみねかおるさんの本にはまっているかもしれない。


 まあはやみねかおるさんの本をどれだけ読んでも、生きることが辛いのは変わらないんだけどね。生きるのが辛くてたまらないってこと、それは読書だけでは救えない。


 就職してから月曜日から金曜日までは単なる地獄だ。会社では体調を崩す人も多いらしく、なかなか休むことができる雰囲気じゃない。そこで休んでいる人をカバーするように仕事をして、心をただ削っている。もちろん自傷行為はやめていないよ。仕事をするために、自傷をしないなんてありえないから。


 そう仕事が一番大事。仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事、仕事。


 お盆休みよりも仕事、オリンピックよりも仕事、パラリンピックよりも仕事。そして何よりも幸せなんかよりも大事な仕事。仕事をしなくちゃいけない平日に良いことなんてあるわけない。


 じゃあ仕事から解放された今日はどうだったのか? オリンピックの開会式、買い物、読書、そして料理。これらをこなしているだけの私、幸せなのかは分からない。

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