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残念なことに、病院がこんでいた。予約した時間から1時間くらい待たされてしまい、その間鬱々と過ごす。
イベントに参加したい、イベントに参加したくない、何よりも早く病院が終わればイベント会場によゆうを持って行けるのではないか、そうなればこの時間が無駄だ。
そんな風に思考がぐるぐるとまわり、ただしんどい。
病院で診察を受けて、薬局で薬をもらい。これで病院へ行くのが終わった私は、駅に向かってとりあえず歩く。
大分遅くなってはしまったけど、今ならまだイベント開始時刻には間に合う。そこで今からイベント会場へ行っても大丈夫。
でもイベント会場へ行くのは電車へ乗らなくちゃいけない。電車の中はぶっちゃけ地獄だ。降りる人の様子をうかがいつつも人に飲み込まれないようにさっさと電車に乗らなくちゃいけない、そして人をかきわけて自分がいてもいいスペースを確保。そう努力したのに、電車を降りるときにつり革にぶらさがるような位置にある紙袋に頭をぶつけて、痛い思いをする。
電車の中は、良い場所なんかじゃない。少なくとも休みの日に電車へ乗りたいとは思わないし、本当は通勤の時だって電車には乗りたくない。
そんな電車に乗って隣の市へ向かい、よく知らない隣の市を歩いて。それでイベント会場へと、着くことができる。
このことはきっとしんどい以外のことはない。電車地獄、迷子になりそうになりながら歩く。それでたとえついたイベント会場で、楽しかったりうれしかったり。そこに幸せはあるのだろうか?
どれだけ辛いことがあっても、楽しいことやうれしいことがあれば問題無いって意見もあるかもしれない。
だけど私はそうは思えない。どれだけ楽しいことがあっても、辛いことや苦しいことを思い出す度に、死にたくなる。そして何よりも楽しいことやうれしいことを思い出すよりも、辛いことや苦しいことの方がナチュラルかつ自然にふわっと思い出すのだ。
じゃあどうしようもない。どれだけ楽しいイベントだとしても、行くまでにそれを上回るだけでの苦しさや辛さがあるはずだ。それは仕方ない。
うん、これはイベントに行くのをやめるしかない。
ちょうど今、駅の近くに着いた。イベントに行くなら、ここで行動しなくちゃいけない。それでもイベントへ行く事をやめた私は、駅から離れれることにした。
うん、こうすることしかないんだ。こうすること以外に道はないんだ。
駅から離れて、百貨店の中へと入る。そうして慣れたように、書店へと向かう。
イベントには行かない、イベントには参加しない。そう決めたはいいけど、もやもやはする。
無理なことは分かっている。イベントへ行くのは辛いことや苦しいことであって、それがどんな楽しいことやうれしいことにも勝てない。
だから仕方ない。イベントには参加せず、買い物をして帰宅。こうする他、私にはできないんだ。
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