2-3

 午前が過ぎ去ってしまったので、お昼ご飯の時間。


 お昼ご飯と言えば、カップラーメン、袋ラーメン。気力のあるときは買ってきたお弁当やパスタ。これらの物が多い。


 でも今日はそうじゃない。カップラーメンのようにお湯を必要としている物ではなくて、お弁当のように色々入っているわけでもない。


 銀色のパッケージが特徴的な栄養ゼリー。カップラーメンやお弁当よりも栄養がありそうなゼリー。


 そんな栄養ゼリーを食べて、お昼ご飯は終了。食欲なんて今ないので、これ以外のものはいらない。


 あれやこれや食べていないので昼食の時間は少ない。そこで昼食が終わってからも、午後の時間はたっぷりとある。


 そこで私は2本アニメを見ることにした。


 まずはオカルト系のアニメ。私よりも少し年下のヒロインがワケあり兄妹とつるんで怪異にまつわる事件に巻き込まれる、そんな話だ。ワケあり兄妹の謎がどんどん分かっていくのと、事件の謎が解けていくのが好き。ハラハラドキドキするからか、見ていて楽しい。


 次は音楽系のアニメ。女子高校生が出会って、覆面の歌手として活動する話。登場人物は4人の女子高校生で、それぞれ他人には言いづらい事情がある。音楽を通じて4人がつながり、見えないこと見えることそれぞれが変わっていくところが新鮮。


 とまあこの2つのアニメを見た。2つのアニメを見ても1時間で済んじゃう、ドラマじゃないからね。


 両方のアニメとも、人とうまく関わっている。人と関わって、自分のやりたいことをしている。


 そういうことが、私は苦手だ。


 他人とうまく話すよりも、トラブルを起こす方が得意。というよりも対話ができないかもしれない。


 相手がぐいぐい来たら、すぐに人間関係を切りたくなる。地雷を踏んでも良い誰を傷つけてもいい。その覚悟を持って言葉でなんとか関係を切ろうとする。それしか私を守るための手段がないから、仕方ない。


 だからアニメのように他人とうまく関わっている人のことが、純粋にうらやましい。


 私にはそういうことが一生無理だから、うらやましい以上のことはない。他人とうまく関わることができるように、努力することもない。


 そういうわけでアニメを見終わると、ベッドに寝転がる。


 お昼ご飯とアニメ。これだけで当然お昼が終わるわけじゃなくて、夕方まではまだ時間がある。夕方まで、私はまだ生き続けなくちゃいけない。


 でもこの空いた、お昼の時間にしたいことなんて私にはない。


 仕事、仕事、仕事、仕事。仕事ですり減った頭はこれ以上考えるのは難しい。楽しいやうれしい、そんなことよりも休みたい。


 そこでベッドの上をごろごろして、昼の時間を潰していく。


 少しでも疲れが取れるよう、苦しさや辛さがましになる。そう祈りながら、ただのんびりするんだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る