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そういうわけで外出することを、あまりしたくない。そんな私は朝から寝るまで家にいるのが1番良い。
朝起きてから、新聞を読みながらしぶしぶ朝ご飯を食べる。
ぶた肉とにんじんとたまねぎ。これらの使われた安めのカレー。なぜならカレーといえば牛肉を使うのが普通なので、豚肉を使うのは安いってことになるかもしれない。こうして朝ご飯を手軽に済ませる。
朝ご飯が終わったら、歯を磨いて顔を洗う。お湯とせっけんで顔を洗ったら、顔がさっぱりした。化粧水、美容液、乳液、保湿クリームがとられた後、何もついていない顔。1日のほとんど化粧水や乳液で保湿されている顔なので、こんな風に本当のすっぴん肌の時は少ないかもしれない。そんな本当のすっぴん肌に化粧水や乳液、それから透明になる日焼け止めを塗る。これ以上の化粧は特にしない。化粧をする元気なんて休みの日にはないので、しかたない。
こういう風に状況が整ってから、着替える。長袖のTシャツ、ベッドに転がっているスカートとパンツをはく、これで着替えも完了。
洗顔、着替え。これらが終わってから、ベッドに寝転がる。ごろごろごろごろごろごろごろごろ、時間を潰す。
こうして時間を無駄にできるのはいい。いつも時間に追われて生活しているのもあって、だらだらするのは駄目だと思っていた。でもそうじゃなくて、時間があるときは思いっきりだらだらしよう。
あっ読書しようかな。
読書は休みの日にしかしないこともあるから、いつも積ん読の本がある状態。その内の一冊を本棚から取りだし、ぱらぱらと読み始める。
本のジャンルはミステリー。ある事故にまつわるお話で、有名なシリーズの最終巻らしい。本の内容は事故の被害者と事故の犯人を探す女子高校生が過去の事件を思い出しつつ、今の事件について考えている。先の読めない展開で、ドキドキしながら読む。
読み終わった後、時計を見た。
「あっもう12時だ」
午前が終わり、午後になっている。読書している間に朝が終わったらしい。
読書をすると時間が溶ける。仕事をしているときは1分1分が苦痛で重くてたまらないのに、読書中は楽しくて軽い。そこで仕事中と違って、早く時間が過ぎちゃう。
とはいえ読み終わってからの苦しさは変わらない。仕事中と同じような辛さが脳にへばりついていて、どこにもいかない。
楽しさでは人生が救えない。死以外の救いはない。
そういうわけで、今は仕事中に負けないくらい辛い。仕方ないけど、生きているのだから辛くて苦しい。これは生きている限り、どうしようもない。
今日は休みの日。仕事がある日と違って他人と話さなくて良いし、AIのように命じられたことを淡々としなくてもいい。
でも生きづらさは変わらない。生きることが辛いのだから、それは仕方ない。
とまあ読書という楽しさで生きづらさはごまかせない。やっぱり生きることを終わらせないと、どうしようもない。
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