第25話
「お母様いま帰りました。それとこちら手紙が届いていたのですが」
「お帰りなさい、ずいぶんと賑やかだったみたいね、雪華から連絡あったわ。それで手紙ね、一体誰かしら?」
私はお母様に手紙を渡して反応を見る。なんで反応を見たかというと手紙の送り主が
私達狐と狸は、昔からどちらも化かし合いで人を騙し繁栄してきた一族である。時には対象が重なってしまい争うこともあったが、一時期争いが激化してしまい種族の存続が危ぶむときもあり休戦協定を結ぶことによって種族の危機を脱したほどだ。
そんな協定を結んでいる中わざわざ直接手紙を送ってくるということはやっぱり裕二さん絡みなのかな?裕二さんとの出会いは偶然だったけど、もしかして裕二さんってすごい人なのかな?八咫烏様も家紋送るほどだし
「稲荷はこの手紙の送り主は見たのかしら?」
「はっはい、隠神刑部様ですね。やっぱり裕二さん関係ですか?」
「そうね、直接絡みに来たのはこの狸親父が初めてね。近々こちらに来る用事があるから食事でもどうかという内容ね、正直断りたいけどそれもこれだけの大物だとそれも無理な話ね。まったく裕二さんにはゆっくりしてほしいのに申し訳ないわ」
「私はどうしたらいいですか?」
「なるべく時間は稼ぐから、なにかある時まで待ってていいわ。まったく次から次にこれも裕二さんの力の一端かしらね」
「裕二さんはやっぱり特別な存在なんですか?」
「そうね、そのへんは調べているからはっきり言えないけど、私は特別な存在だと思っているわ、稲荷に会えたのもただの偶然じゃないかもしれないわね」
「そうですか、でも例え裕二さんが特別だとしても私の大切な人に変わりませんから、今は少しでも裕二さんを癒してあげるのが私の出来ることだと思ってます」
「あなたはそれでいいわ、ほらっ裕二さんのとこに早く戻ってあげなさい」
「はいっまたなんかあったら教えてくださいね」
稲荷がいなくなり改めて手紙に目を通す。手紙には食事のことも書いてあったが、どうやらそれだけでなく、裕二さんに顔合わせさせたい子がいるようだ。八咫烏様の件もあってどうにかして縁を作りたい連中が増えている。
はっきりとした行動をしてきたのはこの狸親父が、初だがこれを機に増えるかもしれない。私に出来るのは裕二さんや稲荷が成長して自らを守れるようになるまで守ってあげるだけだ。
ここまで読んでくれてありがとうございます。もしこの作品を面白い、続きが気になると少しでも思われたらいいね、フォロー、☆などをいただけたら執筆のモチベーションになります。応援コメントなどもいただけたら必ずお返事しますのでこれからもお願いします
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます