第14話
さっそく動きやすい服に着替えてそぼろと一緒に朝ごはんを食べに向かう。名前が決まって嬉しいのか俺の周りをぐるぐる回りながら付いてくる。
「おまたせ、朝ごはん作ってくれてありがとう。それと改めてこっちが俺の管狐のそぼろだよ。ぜひ仲良くしてほしい」
稲荷ちゃんの管狐のくーちゃんがそぼろのそばに寄りじゃれ合いながら飛び回る。
「くーちゃんも新しい仲間が出来て喜んでいますね。管狐の先輩として色々教えてくれるはずです」
管狐についてまったく知らない俺にとって稲荷ちゃんやくーちゃんは頼りになる存在だ。そぼろについて色々解るまでは頼らせてもらおう。
「さっくーちゃんとそぼろは管狐同士仲良くしてもらって私たちは朝ごはんを食べることにしましょう。裕二さんの為に初めて作った朝ごはんですので温かい内にいただきましょう」
稲荷ちゃんが用意してくれたのは、ネギがたっぷりで熱々の湯気が見える味噌汁に、出汁が溢れてるのが分かるだし巻き卵、きんぴらゴボウときゅうりの漬物シンプルながら実に食欲をそそるメニューだった。
「簡単にですがご飯が進むようにちょっと味付けを濃くしています。ここから、裕二さんの好みの味を覚えていきますので、好きな味をどんどん教えてくださいね」
見るだけでも美味そうなんだ。食べなくても美味そうだと感じる、早く食べたくてお腹を鳴らしてしまう。
「ははっお腹が鳴るくらい楽しみにしてくれて嬉しいです。早く食べちゃいましょうか」
二人で向かい合わせにさっそく席について箸を取り
「「いただきます」」
食事の挨拶を交わしてさっそく熱々の味噌汁を手に取る。ネギの風味と味噌の味が混じり合い口の中を幸せが包んでいく。温かい味噌汁でほっこりしたらだし巻き卵に手を出す。出汁が溢れていて箸を入れるとじわっと更に出汁が溢れてきて出汁の香りが鼻に香ってくる。
「味噌汁もだけど、出汁がしっかり効いていて凄いいいね。」
「はい、母から出汁の使い方をしっかり学んできたのでしっかり活かしたいとおもいます」
出汁のあふれるだし巻き卵を口と鼻で味わいながらその美味さに感動する。
「その顔をこれから何度も見れるのは嬉しいですね。美味しいって気持ちが伝わってきます。さーまだまだきんぴらゴボウに漬物もありますからしっかり食べてくださいね。ご飯のおかわりも用意ありますから」
俺は、稲荷ちゃんの作ってくれたご飯をじっくり味わいながら最高の朝食をたのしんだ。これからこんな朝食食べれるなんて最高だ。
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