scene11 : 三クラス混合カラオケ(謎)
◇
「グスッ……グスッ……」
「………」「…………」
「……」「………」
「……………」「………」
「………」「………」
「……」「……………」
「…ぁ…」
「…………?」
「………?」
「……ぁのさ………さっき増田が言ってた…”けん”って……かべけんのことだよな…?」
「ん……?」「……だと思う」
「………………」
「あぁ〜…え、かべけんって……」
「………」
「…………」
「………かべけんって捕まったんじゃなかったっけ…?」
「…!」
「…え?」
「まじ…?」
「…………」
「………」
「………」
「…………」
「グスッ…………は……?……どーゆーこと? それまじで言ってんの…?」
「おう、マジマジ。ガチだって」
「……」
「うわぁ………」
「…………けん、なにで捕まったの?」
「たしか…なんだっけ? 詐欺?か、窃盗? か、そんな感じのなんかで…未遂だっけ?」
「おじーちゃんから金詐欺ろうとした、って聞いたよな?」
「………」
「…………」
「…あ〜………」
「…………」
「……………」
「………………」
「…………」
「……」
「…………」
「……………」
「犯罪……やって……」
「………」
「あぉ………」
「…………」
「……………」
「…………」
「…………なんで……犯罪はしないって言ってたのに………」
「……………」
「…………」
「………………」
「……………」
「…………」
「………………」
「………」
「…………いろんな女にちょっかいかけてたらしいし…な…」
「……………」
「あ、おい………」
「だって……」
「……………」
「………」
「…………」
「小春ちゃんだけじゃないよね…」
「……」
「………」
「……………」
「………」
「…………」
「それは………」
「………」
「あの子だけとか、それは絶対ない」
「たまに連れてる女の子とかもいたよね…」
「…………」
「……………」
「……」
「………」
「…………」
「………」
「…………」
「………」
「……………まぁ…いたっちゃ、いた…」
「……」
「……」
「なのに…なんでわたしだけ…?」
「…………」
「……」
「………」
「……………」
「……いや………それは……」
「……」
「……………」
「…………」
「……」
「…」
「なあ…?」
「ぇ………?」
「………」
「…………」
「………スーー……」
「……」
「………………」
「………」
「………」
「……」
「…………」
「………」
「…………」
「……………」
「………………………身長」
「…!」
「…………?!」
「………身長…?」
「高い……から? 増田が…」
「…高いよな…」
「それじゃね?!」
「あいつ、地味に身長にコンプレックスあったっぽいし」
「「あ〜〜!」」
「そういえば、自分より背が高い女は無理、って言ってたわ!」
「あ〜……」
「………」
「絶対それじゃん! 増田の方が高いから隣歩けなかったんじゃね?!」
「それある」
「ねー」
「…………」
「ね」
「そっか…」
「そうそう! 増田は悪くないって!」
「………」
「うんうん!」
「………」
「…………」
「…………」
「……………」
「…………」
「だから元気出してくれよ!」
「……………」
「………」
「…………………」
「………あ! 曲、歌わない? 歌って…ほしいな〜!」
「………」
「うんうん!」
「聞きたーい!」
「…………」
「ねー!」
「………」
「…………」
「……うん…」
「おおお! なになになに? 何歌う…?!―――――――――――
◇
井浦さんと
五人みんなで和やかな雰囲気の中 話していると、ふいに小春ちゃんが向き直ってきた。
「鈴木くん、ありがと。気使ってくれて」
「……! いやいや、そんなお礼なんていいって…」
こうして実際に接してみると改めて思うけど…やっぱり自分から喧嘩をふっかけるような人には思えないよなぁ。
思ってたよりもっと正義感が強いというか、義理堅いというか…
こうなると、増田と小春ちゃんが喧嘩し始めたきっかけを益々想像できなくなってくる。
確かに増田は多少刺々しい所はあるけど…
今、いいタイミングかな?
そう思った俺は、出来るだけさり気ない感じを意識して、本題を切り出してみる。
「……小春ちゃんって、なんで増田と仲悪いの?」
それを聞いた小春ちゃんは、渋柿でも食べたような顔になって、呆れたように言う。その感情は、増田に対してのものだとは思う。
「あっちが突っ掛かってくるから」
「…はじめて会ったときはさすがにそこまでじゃないでしょ?」
「いやいやいや初めからそうだった! いっちばん初めに、いきなり突っ掛かってきたんだよ? は? って感じ」
「いきなり?!」
いくら増田でも、そんなことするかな…?
それからしばらくは、小春ちゃんがこぼす増田の愚痴を聞いていた。
◇
小春ちゃんの愚痴も一段落した頃、一度、朝園に連絡をすることにした。
『そっちの様子はどう?』〉
〈『増田さんはもう落ち着いて、今は普通のカラオケ』
向こうの部屋も上手くいってるらしい。
とりあえず第一段階はクリアって感じかな?
「…………さて…」
増田と小春ちゃん、二人の間には何かあるような気がする。
ただ気が合わないから喧嘩してるっていうのとは、また違うような…
朝園からのメッセージは続いていた。
〈『それで、あの二人の喧嘩のきっかけなんだけど』
〈『一番最初に、小春ちゃんが無視したところから始まったんだって』
小春ちゃんが……?
……さっきの話だと…
いや……一応話は合ってるのかな?
増田が嫌な事を言って、それを小春ちゃんが無視して……喧嘩に…。
…………なんか…………変じゃないか…?
『小春ちゃんは、初対面の時に増田から挑発するような事を言われたって話してた』〉
〈『?』
〈『一応聞いてみる。なんて言ったのか』
『おねがいします』〉
一応スマホは持ったままで、朝園の返信を待つ。
仲邑さん達は仲良くアニメの曲を歌っている。
楽しそうに一曲歌い終えた頃、朝園からメッセージが来た。
増田が小春ちゃんに初めて話しかけた時に増田が言った言葉、それは…
〈『絶対ネガティブな事じゃなかったって。でも内容は言いたくないみたい』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます