第18話

兼次郎が渾身を込めたキツクだった。

ボールが鋭い弾道を描いて

猛烈なスピードでハイトに襲い掛かった。

ハイトが瞬時に体を弾道に対して

少しずらした。

ボールがハイトに当たらずに

虚空に消えて行った。

「やるな」

兼次郎がニヤリと笑った。

「いいのか、兼次郎」

「何が」

「ボールの行方を確かめなくって」

「なぜ」

「ボールはもうお前の眼前だよ」

「なあにああーーーーーーーーーーーーーっ」

ボールに衝突した兼次郎が消滅した。

「やったわね、ハイト」

御影がハイトのもとにやってきた。

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