第16話

二倍の速度になった鋼球が兼次郎の

左顔面を襲った。

「ぐううううわあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」

兼次郎が左目を押さえた。

左目から大量に出血する。

「やってくれたなあなあああああああああああーーーっ」

兼次郎が全身を戦慄かせて、反撃の態勢を取った。

「このボールがうけられるかーーーーーーっ」

兼次郎が今度は鋼球を思いきり蹴った。

ボールはハイトと御影に向かって高速でとんできたが

二人の直前で直角に曲がった。

「消えた」

「どこ」

御影がそういったときボールがハイトの

眼前に現れた。

「うううううううううわああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーっ」

ハイトの顔面に鋼球が直撃した。

「ハイト――――――――――――――っ」

御影の声が聴こえた。

声は段々と遠ざかりついには聴こえなくなった。

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