第15話

「御影、フォーメイションМG5アタック」

「OK」

御影とハイトがフェイントをかけて

ボールを兼次郎に蹴りつけた。

「全防備空間金網ディフェンス」

兼次郎はそういうと、両手で

空間に透明な金網を創って

鋼球を軽々と受け止めた。

「クソっ、フォーメイションМG5アタックが

まるで歯が立たない」

ハイトが悔しさで唇を

強く噛みしめた。

「それだけか、それじゃあこっちから

いくぞ」

兼次郎が大きく息を吸い込んでから吐き出した。

「フリードイッヒ虎」

兼次郎がそう叫んでからボールを

そっと蹴った。

するとボールは次第に回転を増し、

凄まじい吸引力でハイトと御影を

吸い込もうとした。

「御影、大丈夫か」

ハイトが顔を手で覆いながら、御影に

たずねた。

「大丈夫っていいたいところだけど」

「御影、右腕はどうした?」

「強烈な風に持って行かれちゃったみたい」

「おっ、オマエ」

「大丈夫、私には自己再生能力が備わっているから」

御影の右腕が付け根から蜥蜴のように生えてきた。

「どうする?」

御影がハイトにたずねた。

「鋼球の速度を二倍にしよう」

「あれを使うのね」

「ああ、木の葉のそよぎSTー769だ」

二人は頷きあうと、左腕をクロスさせて体を

回転し始めた。

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