第14話

「よくもやってくれたな、ハイト」

鋼球蹴り玉第五師団北部連隊長

勝昭卓が悔しさで唇をキツク嚙み締めた。

赤い唇に真っ赤な血が滲んだ。

「だが次はそうはいかん。早雲兼次郎いけ。

次はオマエの出番だ」

「フッ、わかりやした。ムラカミは口ほどにもなかったですな。

日頃から大言壮語なオトコでしたがこうも呆気なく

やられるとは。情けない限りですな」

兼次郎がそう吹聴した。

「わたくしにお任せください、勝昭さま。

きっと鋼球蹴り球第五師団の名を汚さぬように

ハイトを血祭にあげてシンゼマショウ」

「頼むぞ、兼次郎」

勝昭が堅牢な椅子にドッカリと腰を下ろした。


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