第4話

「一度、蹴って見せてよ」

巻ヘッドがハイトにお願いした。

「ダメだよ。普通のボールでも危ないから」

「ふつうのボールでもって」

「僕たちは特殊なボールを使うんだ」

「特殊なボールって」

「鉄の塊をいれたボール」

「てっっ、鉄の塊」

「一度、普通のボールで受けてみる。キミゴールキーパー

だろ」

「よっ、よし」


ハイトがグラウンドに仁王立ちした。

キーパー巻ヘッドがゴールポストで手を

広げて構えを見せた。

「いいかい、軽く蹴るよ」

ハイトはそういうと、脚を軽く振りぬいた。

ギュウウウウウううううううううううううんーーーーーーーーーーーーーーっ

ボールが歪に変形しながらゴールネット

に突き刺さった。

ゴールネットが千切れて粉々になった。

「ひ、ひーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー人殺しいーっ」

巻ヘッドが苦情をいった。

「あれ、軽く蹴ったつもりだったんだけどなあ」

ハイトが頭を掻いた。

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