第2話


 目が覚めて最初に気付いたことは、彼女がいないという事だった。僕の頭はいつの間にか、冷たいフローリング材の上に置かれていた。


 映画は既に終わっていて、テレビには反射した僕の顔と壁掛け時計が映っていた。テレビ周りにCDが乱雑に放置されていたので綺麗に片付けた。


 何もすることが無かったので、キッチンの流しに置かれていた皿を洗った。コンビニで買ってきた梅おにぎりのゴミを捨てた。床とベッドにコロコロをかけて毛と埃を取った。そして部屋はどんどんキレイになっていった。あとは彼女が帰ってくるのを待つだけだった。


――彼女が帰ってきたのは、それから一時間半経ってのことだった。

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