作者さんは三題噺のお題と「しようこ」という名前だけを原動力に書いたようです。感覚派によくある、脳内プロットどころかプロットを作っては潰し、作っては書き、作っては潰し、作っては書き、のパターンなのでしょう。それが見事に昇華して花開いた感じが、私は好きです。ストーリーテラーは……っと、ここには書かない方がいいですね。流れるような文章、それなのに濃い味付けのクセの強い進み方が本当に癖になって、何度も読みたくなります。