余計な会話なんて必要ない
流石に今日はダンジョンには行かずに過ごしていると、あっという間に夜になってしまった。
もう俺はいつも通りルラと一緒に夕食も食べ終わっていて、風呂にも入ってある。もちろん、風呂は一人だ。
あの時、ノノを風呂に誘ったのは本当におかしくなっていたからであって、通常の状態で異性を風呂に誘ったりなんかしない。
……一緒に寝ようとは誘ったんだけどな。……ま、まぁ、今日一緒に寝ようと誘うのは仕方の無いことだろう。
大丈夫だとは思うけど、二人には一緒の場所にいて欲しかったんだよ。
「の、ノヴァ様、そろそろ、ルラ様がお風呂から上がってくる頃だと思うので、わ、私もお風呂の準備をしてきますね」
そんなことを内心に仕事が終わっているノノと一緒にリビングで過ごしていると、ノノは恥ずかしそうにしながらそう言ってきた。
なんか、今日のノノはずっと恥ずかしがっている気がする。
あんないきなり一緒に寝ようとか言ったからかな。
「あぁ、分かった」
そう思いつつも、俺は頷いた。
そしてそのまま、俺もリビングを出た。
動き出したみたいだからな。さっさとそっちは始末しておこう。
正直、誰が犯人なのかは分かってたし、もっと早く始末しようと思えば出来たけど、そいつにはそいつに命令を出していた相手に俺の信用を勝ち取れたと報告して欲しかったからこそ、こうやって遅くなってしまったんだ。
少し危険だったかもしれないけど、原作通りなら、ちゃんと報告してくれてるだろうし、本当の黒幕ってやつが馬鹿みたいに俺を煽りに出てきてくれるはずだ。
黒幕に煽り癖さえなければ、原作ではノヴァを弱体化させた有能キャラになれてただろうに、惜しいキャラだよな。
まぁ、俺がノヴァに転生した以上、そいつが有能であろうが、全く関係ないけど。
「カレン、今、いいか?」
そう思いながらも、俺はメイド長であるカレンの元へとやってきた。
「はい、どうか致しましたか? ノヴァ様」
「
「ぇ──」
余計な会話なんて必要ない。
情報を持っていないのならともかく、情報は原作知識で持ってるんだ。
いくら俺が最強とはいえ、余計なお喋りをしている間に何か余計なことをされる可能性だってあるんだ。だったら、こうやって直ぐに跡形もなく消し去るに限る。
一応封印していた技ではあるけど、それに関してはあくまで経験が積めないから封印していたってだけで、今対人戦の経験を二人に危害が及ぶリスクを負ってまで積む必要なんてないからな。
さて、カレンの方は片付いたし、後は家に結界でも張っておくか。
黒幕が来るのは夜中だろうからな。
ルラとノノが寝静まった頃、バレないようにそっちも始末しよう。
数で攻めてくるだろうけど、俺なら問題ない。
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