ルラは妹

「え、ごめん。なんて?」

「だ、だから、ノヴァ様とルラ様は血が繋がってない兄妹、ナンデスヨ。モシカシテシリマセンデシタカ?」


 ノノの喋り方がなんかおかしい気がするけど、今はそんなことはどうでもいい。

 待って、俺とルラって、血、繋がってないの!? 目の色はともかくとして、髪の色とか一緒じゃん! あれで血、繋がってないの!? 

 え、待って、ということは俺、今から天使みたいに可愛い血の繋がってない妹と一緒に寝るの?!


 俺が好きなのはノノだ。それは間違いない。

 でも、あんな天使みたいな子と一緒に寝て、俺は我慢できるのか? さっきまでは、絶対に手を出さない自信があった。でも、それは、ルラのことを血の繋がった妹だと思っていたからであって、真実を知ってしまった今はかなり、自信が無い。

 

「ノヴァ様、今日のところはもう失礼させていただきますね」

「え、いや……」


 ノノを呼び止めたところで意味は無い。

 分かってはいたんだが、俺はノノに向かって手を伸ばしてしまっていた。

 ただ、ノノはもう俺に背を向けていたし、それに気が付かずに、扉が閉められてしまったが。……これが良かったのか、良くないことなのかは分からない。


「兄さん、お待たせしました」


 そして、ノノと入れ替わりになるように、ルラが部屋に入ってきた。

 さっきは特に気にしてなかったけど、前世でいうところのショーツのようなものを着ているルラは太ももが完全に露出されていて、俺はそこに目を吸い寄せられてしまった。

 さっきまではいくら可愛いと思っていても、妹だと思っていたから興味なかったのに、血が繋がってないと分かった瞬間、そんなところに目を向けるなんて、最低だ。

 

 そう思って、そんなところを見ないように、ルラの目を見ようと上に視線を持っていったんだが、また、さっきは特に気にしてなかったが、ノノとは正反対の平均より大きいであろう胸がかなり主張されていることに気がついてしまった。


「そ、それじゃあ、もう寝るか?」


 妹。ルラは妹。ルラは妹。世界最強に可愛い俺の妹。そんな目で見るんじゃない。見ちゃダメだ。

 俺は何度も自分にそう言い聞かせながら、そう言った。

 明日はダンジョンに行くんだし、早く寝ないと……なんて考えではなく、少しでも早く寝て、このドキドキを抑えるためだ。

 

「う、うん」


 すると、ルラは恥ずかしそうに頷きながら、俺の隣に腰を下ろした。

 ……いや、どのタイミングで寝転べばいいんだ!? 寝るんだから、当然このままって訳にはいかないよな。どっちかが、横にならないとダメだ。

 

 そう思った俺は、ゆっくりと、緊張なんてしていないんだと思わせるために、自然に、ベッドに横になった。

 

「る、ルラ、寝るんだろ? お、おいで」


 ……おいでってなんだよ。気持ち悪くないか? 大丈夫か? ……やばい。もう何もかもが不安になってくる。


「う、うん。兄さん、一緒に、寝よっか」

「あ、あぁ」


 幸いなことに、ルラは俺の「おいで」発言を気にした様子なく、俺の隣に横になって、布団の中に入ってきた。


「……兄さん、遠いよ」


 俺はなるべく布団の中で距離を取ろうとしていたんだが、ルラは寂しそうにそう言うと、俺を抱きしめてきた。

 そんなことをされたら、当然ルラの豊富な胸が俺に押し付けられてしまい、弾力を持たせながら押し潰されてしまう。


「これで近くなった。……兄さん、暖かい」

「あ、あぁ、そうか。……る、ルラも暖かいぞ」

「えへへ、良かった。おやすみ、兄さん」

「お、おやすみ。ルラ」


 ルラにそう返事をした瞬間、隣から小さく、すぅすぅという可愛らしい寝息が聞こえてきた。疲れてたのか。

 ……うん。俺、眠れるかな。

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