曇の終わりと晴れの始まり (中)
「ストーカー??」
「この前、告白してされたんだけどお断りしたら電話かけてくるしあとつけられるようになっちゃって、、」
「何ですぐに相談してくれなかったの」
相談しなかった理由は何となく分かる。凛は普段は砕けた表情と態度で人と接するが自分の中に絶対他人には開示しないものを常に抱えている節がある。おそらく、心配かけたくなかったと凛は私に言うだろうけど本音としては私に言ったところで何の解決にもならないからであろう。
「陽菜に心配かけたくなかったの」
私の思い通りの事を口にしたので少し笑いそうになってしまった。凛は真剣に悩んでいるのにここで私が笑うわけにはいかないので堪えた。
男は凛みたいな子、好きだろうなあ。好きで付き合ってる私が言うのは少しおかしいかもしれない。快活な性格に白い肌、素で可愛い子しか似合わないボブカット。これでもかと男受けの要素が詰まっている。でも、彼女は私のものなのだけど。
「相手の目星はついてるんでしょ?訴えるとこに訴えようよ」
可愛いし好きになるのは理解できるが凛を苦しめるのは許せない。凛に私が頼れる存在だと思って欲しい。私にできることは何でもしようと心に誓った。
「それが、、、」
凛の話はこうだ。
相手は一個上の先輩でバスケ部のエース。接点は無かったが、向こうが一方的に一目惚れしていたらしく告白してきたらしい。そいつは普段から先生含め周りからの信頼も厚く成績優秀。一度その先輩の友達に相談したそうだが鼻で笑われて「大会に向けて一丸になって頑張っている。特にあいつは1番頑張っている。邪魔するな」と怒られてしまったそうだ。その時点で相談や訴えても無駄かもしれないと思ったらしい。
「1人で抱えさせてごめんね」
「そんな!陽菜に謝らせるためにこうしたんじゃないの、、私」
「大丈夫。わかってる」
その時、私は決心していた。
そいつに会いに行って、直接決着つけてやろうと
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