エピローグ

「……あはは、相変わらず大変だね!」

「こら、他人事じゃないぞ、作業を続けるぞ」

「はーい!」


 2人を見送ったヴェラとポラリスは、作業へと戻ろうとした……。


「そういえばレプちゃん……大丈夫かなぁ?」

「……そろそろ戻る頃合いだが」

「まぁ、流石に時間掛かるよね……」


 ……レプスは、商会のメンバーの一人になったが、一行とは別の仕事をしていた。

 ……その仕事は。


「……噂をすれば、戻ってきたみたいだぞ」


 ……格納庫の扉が開き、甲冑を身に纏った人物と共に……レプスは帰還した。

 その姿はヴェラから譲り受けたドレス、以前とは違い、ヘルメットを外し得著yてきな耳を露わにしていた。


「レプちゃーーーーーーーーーーん!」

「うわぁ!? ヴェ、ヴェラさん!?」


 レプスの姿を見たヴェラは、感極まり、抱きしめた。


「よかったー、怪我無くて!」

「だ、大丈夫ですから……苦しいですよぉ……」

「もう本当に心配したんだからね! 『残った残党の通訳』なんて危険な仕事を引き受けるなんて……」


 そう、レプスは軍隊が捕らえた兎人の通訳を任されていた。

 アルネブの進行を食い止めた後、一行は政府に事情を説明し、レプスは在住を認めてもらう代わりに軍に協力するよう要請されたのだった。

 レプスはその要請を快く引き受け、商会の宿舎から軍へと通う日々が始まった。


「あ、機械もうすぐ完成するのですね!」

「うん! レプちゃんの設計した機械、よくできてるよ!」

「ありがとうございます、すみません、修正をヴェラさんに丸投げしてしまって……」

「いいっていいって!」

「で、でも……」

「じゃあさ! 終わったら一緒にお風呂入って、ご飯食べて、一緒に寝よ!」

「そ、それはいつもしているじゃないですかぁ……」

「あはは、そっか!」


 ヴェラとレプスは顔を合わせ……笑い合った。


「んん! では我々はこれで! 明日もよろしくお願いしますよ、レプス殿」

「はい! また明日!」

「僕が送ります」


 ポラリスは兵士たちを出口まで案内した。


「……ではヴェラさん! 私も手伝います!」

「ありがとう! 行こう!」


 2人は手を繋ぎ……機械へと向かった。

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ラビット・インベーダー~実家を勘当された元辺境伯令嬢、兎耳美少女と世界を救う~ 立風館幻夢 @Zangetsu_Kureshima

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