第44話 反撃
「み、みんな! 大丈夫!?」
「あ、あぁ……僕はなんとか」
「わ、私も大丈夫です……」
「ごめんな、俺のせいで……」
「アル、今は悔やんでいる場合じゃないよ」
機械は致命傷を負うも、5人の体は無事だった。
しかし……。
「……だめだ、魔力が伝わらない」
「そ、そんな……」
「ど、どうしたんですか?」
「……機械に魔力が伝わらないということは、この機械が起動できないってことだよ」
ヴェラはあくまで冷静に、レプスに状況を説明した。
「クソ……このままじゃ俺たち、文字通り宇宙のチリだな……」
アルタイルの言葉に、一行は一瞬くらい空気に包まれるも、それを晴らすような激昂が鳴り響いた。
「アンタたち!! 何をそんなに落ち込んでんだい!」
メリクは怒号を上げると同時に、何度も魔法板に手を翳した。
「ふ、ふくかいちょー?」
「いいかい? 地上にはアタシたちの帰りを待っている人たちが沢山いんだよ!? アンタたち、そいつらを見離すつもりかい!?」
「……」
メリクの言葉は、4人の心に刺さった。
「……ですね! 僕たちを待っている作業場の皆……そいつらに示しがつきませんよね!」
「うん! こんなところで落ち込んでる場合じゃないね!」
「わ、私も、遠くへ行ってしまった仲間の為にも、やります!」
「……みんながやるのに、ここで俺がやらない理由は無いね! 行こう!」
一行は一斉に魔法板に手を掛け、魔力を込めた。
「や、やっぱりダメなのか!?」
「会長! ここで諦めちゃダメですよ!」
「ポーちゃんの言う通りですよ、かいちょー!」
「ここで起動させて、帰るんだよ!」
「お願い! 起動してください!」
5人は全力で魔力を込めた。
起動しなくても、5人は諦めずに機械に魔力をぶつけた。
そんな想いが機械に届いたのか……再び魔法板が光り輝き、機械は再起動した。
「よーっし!」
「やったぞ!」
「やりましたね!」
「よ、よかった……」
「さ、早く反撃と行こうじゃないの!」
5人の最大限の魔力が込められたためか、機械の力は先ほどよりも強大になっていた。
まるで光の速さのように進んでいき、一瞬のうちに、アルネブの機械の前まで到着していた。
「食らえ!!」
5人の機械から拳が飛んでいき、相手の機械に直撃した。
強大なお礼を受けたアルネブの機械は、片腕を失ってしまった。
5人の操作で再び盾と剣を装備し、千切りのように斬撃を繰り返した。
アルネブの機械は既に傷だらけ、見るも無残な姿になっていった。
……しかし、相手のやられるだけではなく、悪あがきの如く蹴りで剣を吹っ飛ばした。
「盾だけじゃ戦えないとでも?」
レプスは魔法板を操作し、盾で殴打攻撃を繰り返した。
殴打を繰り返していくうちに、盾は粉々になり、相手の機械のもう片方の腕が切除された。
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