第43話 致命傷

「うおおおおお!? こっちに来るなあああああああ!?」

「あ、アンタ動揺すんなってうおおおお!?」


 アルタイルは目の前に襲い掛かるアルネイブの機械に対し、回し蹴りを食らわせようとするも、急旋回により5人は体が持っていかれるような感覚になった。

 回し蹴りは相手に当たり、傷を負わせることに成功したものの、5人の操縦する機械は隙だらけの状態になってしまった。


「アンタ急に旋回するんじゃないよ!」

「ご、ごめん……」

「……まずい! もう一回旋回しますよ!」

「え!? うおおおお!?」


 レプスが操作し、咄嗟に相手の攻撃を避けた。


「食らえ!」


 レプスは避けたと同時に拳を握りしめ、相手に目掛けて拳をお見舞いさせた。


「すごーい! レプちゃんやるね!」

「ありがとうございます!」


 攻撃を受けたアルネブの機械は体勢を立て直し、再び攻撃態勢に入ろうとしていた。


「おい、次は何をするつもりなんだ?」

「なんか、腕から何か出てきてないかい?」


 5人の目線で見る機械、そこからは、何やら砲台が出てきていた。

 その砲台になにやら光が溜まり、それは太陽のように輝き始めていた。


「あ、あれは……」


 動揺する5人だったが、レプスは咄嗟に魔法板を触り、またも旋回させた。

 相手の機械からはレーザービームが飛んでいき、先程までいた場所に放たれた。

 間一髪で攻撃を避けるも、相手は再び光を溜め、こちらに攻撃を仕掛けようとしていた。


「ど、どうしよう、あいつ、またあの攻撃を仕掛けようとしてるよ……」

「かいちょー! ここはこいつです!」


 ヴェラが操作をし、片腕の亀が盾に、そして下半身の地竜から剣の鞘の部分を取り出した。

 鞘からは光の刃が生え、遠目から見たそれは、まるで兵士のように見えた。


「な、なるほど、それで奇襲を仕掛けるわけか!」

「そうです! いくよー!」


 盾を構え、ヴェラの操縦により相手の機械へと近づいた。

 アルネブの機械は先ほどと同様、光莉の線を照射するも、その攻撃は甲羅の盾により防がれた。


「食らえ!!」


 ヴェラの操縦で斬撃を繰り出すも、それを見越したかのように避けられてしまった。


「なっ!?」

「後ろだよ! まかせな!」


 アルネブの機械は瞬間移動のように5人の機械の後ろへと回っていた。

 メリクは魔法板に触れ、相手の機械の下へと潜り、攻撃を避けた。


「よし! じゃあ俺が!」


 アルタイルは魔法板に触れ、バック宙返りのように、相手の機械に蹴りをお見舞いさせた。

 相手に致命傷を与えた……かに思えたが。


「……待て、あれは」


 アルネブはただやられまいと考え、砲台の準備を同時に行っていた。


「い、いけないよ! は、早く旋回を……」


 メリクが旋回しようとした……が、時すでに遅し、アルネブの機械から光線が放たれ……至近距離でその攻撃を受けてしまった。

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