第29話 レプスの身体
「それじゃ、レプちゃん、服脱いで」
「はい!」
2人は浴室に入り、お互いに服を脱ぎ始めた。
ヴェラは服を脱ぎながら、レプスの方をチラチラと見ていた……。
(レプちゃん、見た目のわりにいい肉体してるなぁ……って、チラチラ見るなんて変態みたいじゃん!)
……ヴェラは頭を大きく振り、レプスをふろ場の中へと案内した。
「それじゃ、こっちおいで」
風呂場へと入り、レプスは椅子に座った。
ヴェラはシャワーを片手に、この世界における蛇口のようなもの……「青い宝石」に触れた。
触れると同時に魔法陣が現れ……お湯が出てきた。
「おお……すごいですね」
「えへへ、実はこの魔法具最近できたんだよ! これから普及すると思うんだよねー……それじゃ、頭に掛けるよ」
「はい!」
レプスは目を閉じ、熱い雨を受け入れた。
ヴェラはレプスの全身にお湯をかけ、一通りかけ終わった後、石鹸とアカスリを取り出し、レプスの体を洗い始めた。
「……レプちゃん、体のわりに意外と鍛えてない?」
「えへへ、お恥ずかしながら……やはりニハルと戦うためには、私も鍛えておかないと」
「そっかー、私ヒョロヒョロだから羨ましいよ」
……ヴェラはレプスの体に見とれていた。
レプスの身長はヴェラよりも少し小さい程度……しかし彼女の体格は若干ながら筋肉がついていた。
「……ねぇ、答え辛い質問かもしれないけど……レプちゃんは、どうやってクーデターから助かったの?」
……そんな体格のレプスを見て、ヴェラはふと疑問に思ったこと口にした。
レプスの両親は公開処刑された……しかし、親族であるレプスはどのようにして助かったのか……。
レプスは若干顔を曇らせながらも、口を開いた。
「……実はクーデターの時、軍隊の中でも、アルネブに従わない人たちもいたのです」
「従わない人? ……やっぱり、軍隊も一枚岩じゃないってこと?」
「はい、そんな人たちが私を助けてくださり……新たに反政府組織を作り、覆す策を練っていたのです……私は王女という立場上、保護下にいましたが……どうしても、保護されるのが嫌だったのです、自分にも何かできるのではないか、両親の仇を打ちたいと」
「それで……体力をつけ始めたの?」
「はい、なんとかお願いをし、兵力に加わるために修行を始めました、辛い事も沢山ありましたが……両親の為に頑張ろうと決断し、ここまでになれたんです」
「へぇー……レプちゃん、かっこいいね!」
「か、かっこいい……ですか?」
「うん! 何かのために頑張れるレプちゃん、とってもかっこいいよ! 私そういう人大好き!」
「だ、だい……」
……ヴェラの言う好きとは、単なる行為である、しかしレプスは違う意味にとらえてしまい……顔を赤らめた。
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