第27話 増やす

「んん~ふぁ~……よく寝ました……ってうわぁ!? し、知らない人がいます!?」

「うおぉ!? びっくりした……」

「アンタ騒ぎ過ぎだよ!」


 アルタイルとメリクは、起き上がった異星人に驚きを見せた……。


「ど、どどどどどどど、どうしましょう!? 私、軍隊に売られてしまうのですか!? じ、尋問は嫌ですよぉ~」

「お、落ち着いてレプちゃん! この2人はね……」


 ヴェラは、アルタイルとメリクが何者なのかを説明した。

 それを聞いたレプスは安堵し、呼吸を整えた。


「なるほど、ヴェラさんの職場の上司の方でしたか」

「そう! 俺は商会の会長を務めてるアルタイルだ、よろしくな、ヴェラちゃん」

「アタシは一応この男の補佐の副会長やってるメリクだ、よろしくね」

「はい! よろしくお願いします! 会長さん! 副会長さん!」


 レプスと2人はお互いに自己紹介をすると、握手を交わした。


「それで……この機械の話だが……」

「あぁそうだったねぇ、どうすればいいのやら……」

「ヴェラさん、どうかしたのですか?」

「あぁ、実はね……」


 ヴェラは今何が起きているのかを説明した。

 機械の具体的な案がまとまった事、しかし、これを作るのに時間が掛かり、完成する頃には既に攻められてしまう事……。


「……ってことなんだよ、ウチの格納庫も限りがあるし……どうにかならないかなーって」

「そうですか……じゃあ増やしましょう!」

「「「「増やすぅ!?」」」」


 レプスの突拍子のない提案に、4人は呆れた声を上げた。


「レプス、君なぁ……」

「それができたら苦労しないよ……」

「アンタ、ヴェラと同じ感じなのかい?」

「ちょっとふくかいちょー! それどういう意味ですか!」


 ヴェラを除いた3人は各々レプスの意見に反論するが……レプスはきょとんとした表情をしていた。


「え? できないのですか? これだけ機械が発展しているのなら、作る場所も無数にあると思っていたのですが……」

「レプスちゃん君ねぇ、そりゃ俺たち以外にも機械を作る商会はあるにはあるが……んん? 待てよ?」


 アルタイルは何かを思いついたのか、メリクに提案を促した。


「なぁメリク、確か取引先……貴族や部品の商会あったよな?」

「あぁ……というか、ウチの取引先と言えばそれぐらい……あぁ、そういうことかい!」


 2人は何かを思いついたのか、立ち上がった。

 ……しかし、ヴェラとポラリスは、それを困惑した表情で見つめていた。

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