第17話 落ち込む北極星

「……で、話って何だい?」

「うん、実はあの隕石の話と関連するんだけど……」

「あぁ、その話か……」

「え?」


 ポラリスの小さな期待は、完全に崩れ去った……しかし、「こういう状況だからその話しかないだろう」と、すぐに冷静になった。


「……あの隕石からあの変な兎の人間が出てきた……ここはヴェラも知っているな? あいつら、急に変なことを口走りながら……僕たちに攻撃を仕掛けてきやがったんだ、女も子どもも関係なく……」


 ……険しい表情で語るポラリスに対し、レプスは表情を曇らせた……そんなレプスを見て、ポラリスは質問をした。


「……そういえば、その子はなんだ? 君が助けたのか?」

「そう、本題はそのことなんだけどね……」

「うん?」


 隕石とその子どもと何の関係があるのか……ポラリスは、疑問符しか浮かばなかった。


「……レプちゃん、ヘルメットとって」

「だ、大丈夫なんですか?」

「大丈夫、この人……ポーちゃんは信用していい人だから」

「わ、わかりました……」


 レプスは手を震えさせながら……ヘルメットの紐を解き、ゆっくりと取った。

 ヘルメットを取ると同時に、レプスの頭に生えている「身体的な特徴」が露わになった。


「ヴェ、ヴェラ……そいつは……」


 ポラリスは咄嗟にヴェラを自身の後ろへと引っ張り、杖をレプスへと向けた。


「貴様……あいつらの仲間か!?」

「あ、ち、違います! 私は……」

「黙れ!! さっきはよくも僕の仲間たちを……覚悟しろ!!」


 ポラリスは怒りを露わにし……呪文を唱えようと口を開いた。

 しかし、ヴェラはその開いた口を強制的に塞いだ。


「んんんんん!?」

「待って! ポーちゃん! この子は違うの!!」

「むぁにをふうぅんだむぇら!(何をするんだヴェラ!)むぁなすぇ!!(離せ!!)」

「ああもう! この杖没収!」


 ヴェラはポラリスから杖を奪い取り、ベッドへと放り投げた。


「ヴェラ! 何を考えているんだ! こいつは……」

「いいから聞いて! この子は……」

「こいつは放っておけば僕たちに危害を加える……今のうちにとっ捕まえて軍隊に……」

「もう……ポーちゃんの馬鹿!!」

「ば、馬鹿……?」


 ポラリスは……ヴェラの口から放たれた罵倒に憤りが治まり、その代わり、哀しみが体を支配した。


「馬鹿……ヴェラが……僕を……馬鹿って……そうか……僕は……馬鹿なんだ……さっきだって……僕が先走って……」


 落ち込んだポラリスは、呪詛を唱えながら、縮みこんだ。


「あの……この人、大丈夫ですか?」

「大丈夫、すぐに回復するから」

「は、はぁ……」


 2人は、ポラリスの回復を待った……。


「馬鹿……僕は……馬鹿で……」

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