【リメイク前】あーあ、隕石でも落ちてこないかな③

■分岐2


B:…ルリ。

A:もう一回。

B:ルリ。

A:うん。…うん。

A:…ねえ、瑠璃。

B:なに?

A:ありがと。

B:変なの。…ルリ、お休み。

A:お休み、瑠璃。


翌朝。


A:宿題、ありがとうね、B!

B:どういたしまして。もうギリギリまで宿題放置すんのやめなよね。

A:はーい!


A、Bの家をじっと見る。しばし見つめた後、


A:…お邪魔、しました。


歩き去るAの背に、Bが声をかける。


B:また、学校でね!ルリ。

A:うん。…またね、瑠璃!



A:(N)あの日のことは、まだ鮮明に覚えている。

A:(N)ずっと気になっていたイカのゲームを買って、遊ぶのを楽しみにしながら歩いていた。そしたら、突然、世界がひっくり返った。強い衝撃と、背中と頭が一瞬熱くなって、それから、それから…急に寒くなった。

A:(N)目が覚めたら、私は一人で病院にいた。知らない苗字。家族は私が小さいころに死んでるらしい。変わらないのは、名前だけ。

A:(N)わけが分からなかった。退院して、私は走って家に帰った。

A:(N)…知らない子がいた。その子も「瑠璃」という名前で、私はクラスメイトらしい。お父さんも、お母さんは、私のことを知らないって言った。

A:(N)すごい顔で走ってきて、急に泣き出した私は、すごい不審者だっただろう。でも、本気で心配して、力になろうとしてきて。


A:(N)あそこは私の居場所のはずなのに。あの子のことが、嫌いだった。憎かった、筈だ。

A:(N)…でも、心配になるくらいに面倒見がよくて、優しい子で。もっと、嫌な奴だったらよかったのに。


A、空を見て、わらう。


A:あーあ、隕石でも落ちてこないかな。


A:(N)そしたら、私は今度こそあの家に帰れるのだろうか。少なくとも、あの子を憎まないで済む。それはとっても魅力的で。ありえない展開を夢想して、泣いた。


<ED:あーあ、隕石でも落ちてこないかな>

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夢の中の君へ。 うさらぶ @mofusuki_usa

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