第三話 同居2日目
「グットモーニング!エブリウェア!」
ばあちゃんがそう大声で俺たちに言ってきた。
熱血系の英語の教師かよ、耳ぶっ壊れるかと思ったわ。
リエルが青い色の髪の毛を耳にかけながら言った。
「おはようございます。改めて自己紹介させていただきます。レントロン・ミース・リエルと申します」
リエルがばあちゃんにOLの面接みたいに言った。
「おはようございます。遅くなりましたが僕はフランクレット・ランパードと申します」
「同じく、ロッキン・ミード・フェミエルと申します。」
リエルに続いてランパード、フェミエルも挨拶をする。
「この流れは私も挨拶しなきゃね!鈴木久美子と申します。ほらあんたも!」
「あ!はい!鈴木はやとって言います。まぁうん、これからよろしく。」
「「「よろしくお願いします」」」
祖チンだのなんだの言ってた奴も、礼儀正しいとこもあるんだなと少しばかり感心する。
初めてちゃんとした自己紹介をし、朝ごはんを食べた俺は三人を自分の部屋に呼び出した。
「私、仕事辞めます」
「私たちじゃなくて最初に祖チンのばあちゃんに言えよ」
そうフェミエルが言ってきた。なんかばあちゃんにちんこ生えてるみたいになってるじゃねぇか。ふたなりは20代前半までが許容範囲だ。
「ばあちゃんに言ったらいろいろ言ってきそうで怖いからあえて言わないようにしている。」
そしたら、ランパードが俺に言ってきた。
「それはつまり無職になるってことか?」
「半分正解で半分間違いだ。今の会社をやめたあと、新しい仕事をしようと思う。もちろんお前らは手伝ってくれるよな?」
リエルが言った。
「まぁ住まわせてもらってるんだし、それぐらいはしてあげるわよ。」
少し嫌そうな顔をしていたが、手伝ってくれるんならよしとしよう。
そして俺は携帯を手に取った。
「俺は今から大悪魔ヨソジ鬼上司を討伐する。お前らはそこで見守っていてくれ」
「いいわよ。なんかよくわかんないけど、ここは私たちに任せて!」
リエルがなんとも頼もしい声で言ってきた。
「よっしゃ!任せとけよ!」
「祖チンが持ってるpcってやつ、粗チンが死んだら使えなくなるし全力で守るわ!」
続けてランパード、フェミエルも行ってくる。
三人も味方がいてくれて、俺はすごく嬉しいです。
「よし!かけけるぞ!えーと?090…よし!行くぞ!」
「「「ラジャー!」」」
「先輩、対戦、よろしくお願いしまーーーーーーす!」
ポチッ
プッ、プッ、プッ、プルルルルル
部屋が静まり帰った。
プルルルルル、プルルルルル、プルルルルルル、プルルルルル。
電話の音が鳴り響いた。
カチッ!
スリー、トゥー、ワン、
「はい、株式会社サントルンの石田智子と申します」
GO!
相手のキャラは相性最悪の俺の上司、石田智子だ。しかし、俺たちの会社は辞める時は社長に言わなくとも、上司に言えば辞めれるという仕様になっている。
まずは先手必勝!遠距離通常攻撃だ!
「こんにちは!いつもほんっっとうにお世話になっております。鈴木はやとと申します。」
「あぁ♡はやと君♡どうしたの?もう通勤してるのよね?」
ヤバい!色気攻撃ともう通勤時間ですけど攻撃だ!最悪のコンボだ!
だが俺も負けるわけにはいかない。
「あ!すみません!そうでしたね!通勤時間だったこと、すっかり忘れていました!」
カウンターだ智子!お前のその攻撃、隙だらけだ。
しかしその時だった!
「もう♡はやと君ったら♡次忘れたら君の家に突撃しちゃうぞ♡」
うッ!__なん、だと!、カウンターを防いだ?しかも俺にかなりのダメージを与えてきた!こいつ、もしかしてVIPか?!
だが、こんなんで挫けていたら話にならない。行くぞ!俺の最強コンボ…
「てかはやとくーん♡もしかして辞めるとか言わないよね?」
ッッ!何だと!
先を読まれた!絶望的だ!もう、負けてしまうのか?
その時だった
「まぁ、でも、はやと君が辞めるかどうかははやと君が決めることだしなーぁ」
キタッ!__ス◯ッシュボールだ!
俺はすかさずそれを勝ち取った!
これは勝った!
「わかりましたでは辞めさせていただきますこのクソババァが!」
やったな!
…「は?」
は?どういうことだ?俺の最後の切り札は当たったはず、なのにどうして…ハッ!まさか!
「残像だ…」
やはりか!しまった!これは予想してなかった!
どうしよう…もう、手は、ないのか?
いや、待て…
「ねぇはやと君、それ本当に言ってんの?」
俺の攻撃手段をよく考えろ…
「私の言ってることが冗談ってわからなかった?」
ッ!これならいけるかもしれない!
「わかるよね長い付き合いだから私たち」
行くぞ!智子!俺と当たったこと、後悔するんだな!
「だから早く会社に来…」
「だが断る」
からの!
「お前のことなんか!嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ…!」
害悪戦法、嫌いだ連打だ。それは某大乱闘の害悪キッズ達が好んで行う「PK◯ァイヤー連打」を彷彿とさせる何とも害悪な戦法!
そして!
「智子、お前に教えていた家の住所…」
一度軽く息を吸い、全力の声で言った。
「それは残像だ!!!!」
「何だと!この私が!バカな!」
「じゃぁな智子、今までの時間、案外楽しかったぜ!」
「そんな!そんなバカな!…覚えておけよ!いつか必ずお前のことをk」
プー、プー、プー、
GAME SET!
勝った…やった…
思わず涙が出てきてしまった。あの大悪魔をこの手で倒せたのだから。
そこに、リエルがこっちを向いてこう囁いてきた。
「クソババァって言わないでおけばもっと簡単に行けたわよね?」
何も言えねぇじゃねえか…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます