幼くても、幼いからこそ、貫き続ける純真さ。

 幼いころに人魚のルーランに助けられたジュジュは、彼への恋心を胸に成長します。
 誰に話したところで夢ではないかと笑われそうな話。それを信じ続けるジュジュにも、次第に現実は近付いて――。

 繊細に描かれるジュジュの心、それを彩るような景色の描写が鮮やかです。
 さながら海のように。穏やかさと激しさに込められた、誰かを想う温かな気持ちを感じられる作品だと思います。

古都池 鴨さんの他のおすすめレビュー12