第5章
「ソラ、僕たちはあなたに会うために何度も時を超えてきました」
「そして今、魂を共鳴させる仲間とも出会えた」
真琴と歩、翼の三人は、絵画のように美しい異世界でソラと対面していた。
ソラは優しく微笑み、三人に語りかける。
「あなたたちが時空を超えて集った理由、分かりますか?」
「ソラ、あなたを見つけるためです」
真琴が真っ先に答えた。ソラは小さく頷く。
「それだけではないの。真琴、あなたは仲間と出会うことで、大切なことに気づいたはず」
「大切なこと…?」
ソラは三人の手を取り、空の彼方を指差した。
「この世界を見渡して。異なる時間軸が交差する中で、命が輝いている」
真琴たちは息を呑んだ。無数の光の筋が、複雑に絡み合いながら、世界を包み込んでいる。
「一人ひとりの魂は、その人だけの軌跡を描きながら、少しずつ成長していく」
ソラの言葉に、真琴の心に熱いものがこみ上げた。
「人生は一本道ではない。幾重にも重なり合う物語の中で、魂は磨かれ、絆を深めていくんだ」
ソラは再び三人を見つめ、微笑んだ。
「真琴、歩、翼。あなたたちが出会えたのは偶然ではないわ。互いの魂に共鳴し合ったから」
ソラの言葉に、三人は顔を見合わせる。
「俺たちは、魂の欠片を分かち合う、運命の存在だったんだな」
「ソラとも、きっと魂でつながっているんだ」
感極まる中、真琴が声を上げた。
「ソラ、私はあなたとまた会えた理由が分かったような気がする」
真琴は仲間たちの手を強く握りしめた。
「一人では見つけられなかった、大切な何かがある。魂を重ねて初めて、たどり着けるものが」
ソラが頷く。
「真琴、あなたは気づいたのね。時空を超える旅の真の意味に」
「ソラ、私は…私たちは、この世界を守るために選ばれたのかもしれない」
「そうよ。魂の力を結集させ、世界を元あるべき姿に導くために」
ソラは両手を大きく広げ、謎めいた言葉を紡ぐ。
「無秩序に進むタイムラインを調律し、異なる時間軸の狭間に生まれた混沌を鎮めること。それが、あなたたちに課せられた使命よ」
「でも、私たちにそんなことができるの?」
戸惑いを隠せない歩に、ソラは微笑みかける。
「魂の共鳴を信じて。一人ひとりの心に宿る光を結び付けるのよ」
ソラは三人に語りかける。
「真琴、あなたの強い意志がここまで導いてきた。決して諦めないその心が、仲間を引き寄せたのよ」
「歩、翼。あなたたちもまた、魂の奥底で真琴を求め続けていた。だからこそ、ここに集えたのよ」
三人の表情が引き締まる。背中を押されたような勇気が、心に満ちていく。
「ソラ、僕たちは世界を守る。君が教えてくれた、魂の絆の力で」
「ええ、私たちの意志を一つに。時空を超えて結ばれた絆は、決して断ち切れない」
「この異世界から、タイムラインを正しい在り方に戻していこう」
三人は固く誓い合った。
ソラは清らかな光に包まれ、次第にその姿を薄めていく。
「あなたたちの冒険は、新たなステージへ」
最後にソラが残した言葉は、まるで祝福のように響いた。
「さあ、みんな。世界を救うために」
「ああ、魂の共鳴を胸に、未来へ進もう」
「ソラへの思いを胸に、次の時空へ」
真琴たちは光に飲み込まれ、異世界から解き放たれた。魂を重ね合った先に、世界を調律する旅が始まる。
それは、彼らの心の奥底で追い求めていた、本当の在るべき場所への旅立ちであった。
光の粒子が舞い散る中、三人の姿が虚空へと溶けていく。
新たな時空、新たな出会いを求めて。
世界を正しい姿に戻すその日まで。
三人の冒険は、終わりではなく、始まったばかりなのだ。
TIMELINE -魂の共鳴- 島原大知 @SHIMAHARA_DAICHI
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