第22話 アイドルな美少女と、海で遊ぶことになった
ある日の休日。
アイドルと言っても、学校の中で一番人気のある子という意味ではない。
本当にアイドル活動をしている女の子と訪れているのだ。
本物のアイドルと一緒の時間を過ごせている事に、自分でも信じられないが、内心、嬉しかった。
今まで応援していた遠い存在の女の子と、こうして海で遊んでいられるからだ。
アイドルな彼女と一緒にいられる今の時間が輝いて見える。
進の視界には水色の海が広がっていた。
七月の海開き前の海岸には誰にもおらず、アイドルの
「ねえ、進。こっちにおいでよ」
「う、うん」
佳純は楽しそうにはしゃいでいる。
アイドルしている時の佳純は真面目で、あまり冗談とか言いそうもないキャラなのだが、海岸にいる彼女は優しい笑顔を見せてくれていた。
進は彼女の近くまで向かう。
すると――
「ここで脱いでもいい?」
「え? ぬ、拭って⁉」
突然の発言に、進は驚き、目を丸くした。
「こういうことだよ!」
進が見ている目の前で佳純は脱ぐ。
が、それは下着姿ではなく、ビキニ姿であった。
制服の中にビキニを身につけていたらしい。
「進、驚いた?」
「べ、別に、そ、そんな事はないし……」
「でも、動揺してるじゃんー」
笑顔を見せてくる佳純から、からかわれてしまっていた。
「そ、そんなのないから……」
「でも、私の事を意識してくれるなら嬉しいかな……そうだ、あっちの方に行こッ」
佳純から右腕を引っ張られ、海岸を走って移動することになった。
そんなアイドルな彼女の態度に、進は嫌な気持ちにはならなかった。むしろ、佳純と一緒にいられる今の時間を大切にしていきたいと思うのだった。
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