第4話 俺の好きな幼馴染が、とあるイケメンと仲良く会話してるんだが

 これって、アレなのか?


 夕暮れ時の今。浅見奏あさみ/かなでは嫌な予感を肌でヒシヒシと感じていた。


 今日は片思い中の幼馴染と学校を後に下校していたはずだった。

 先ほど通学路の曲がり角で、見た目の良さそうな同世代の男子とバッタリと遭遇したのである。


 制服姿も格好よく、自分の存在が霞んで見えるほどに魅力的な男子だった。


 その男子と幼馴染のやり取りが、妙に仲良く見えてしまうのだ。


 今は、その男子を含めた三人で通学路を歩いていた。

 奏は二人の後ろ姿を見ながら思う。


 だよな……。


 奏は苦しめの溜息をはいてしまう。


 幼馴染にも好きな人はいる。

 そんな事、薄々気づいてはいた。

 でも、その光景を目撃すると、心が苦しくなるのだ。


 幼馴染は昔から告白される事が多々あり、今さら自分が告白しても意味がないと思い始めていた。


 諦めよう。


 二人は付き合ってるんだもんな……。

 余計な邪魔をしちゃいけないし。


 奏はそう思い立ち、次の曲がり角で、その二人とは別れて帰宅しようと思うのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る