第3話 片思いしているクラスメイトの、お弁当を食べることになった!

 んッ、こ、これは――


 昼休み。鈴木真也すずき/しんやは学校の屋上にいた。


 今まさに、隣のベンチに座っているクラスメイトの手作りの弁当を口に、目の瞳孔を見開き、感銘を受けていたところだ。

 それほどに、彼女の料理は真也の感情を揺さぶっていた。


 今日の彼女の弁当の中身はサンドウィッチであり、お店に並んでいてもおかしくないヴィジュアル。そして、程よい味付けがなされてある。

 元々、サンドウィッチが好きだという事も相まって個人的にも好印象だった。


 そんな彼女に対し、真也は片思いをしていたが、その気持ちを伝えられずにいたのだ。


「どうかな?」


 隣から確認するような口調で、田口五鈴たぐち/いすずの声が聞こえてくる。


「うんッ、普通に美味しいよ」


 お世辞を言う必要がないほどに完成された出来栄え。

 真也も笑顔で対応する。


「本当に? よかった♡」


 小柄でショートヘアが似合う五鈴は、胸を撫で下ろしながらも嬉しそうに微笑んでくれていた。


 そんな彼女の笑顔を見れて、真也は今、最高に幸せを感じられていたのだ。

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