第2話 苦手な隣の席の子が、俺の好きなメイドに似ている
「それで、あなたは何がいいと思ってるの?」
今は授業中。壇上前に佇んでいる担任教師から一つのお題を与えられていた。
それは隣同士の子と、今年の文化祭の出し物を考える事だ。
最終的には皆の意見をまとめ、このクラスとしての出し物を決めるという流れである。
「ねえ、聞いてる?」
「き、聞いてるよ……」
「それでさ、あんたは何にするつもり?」
「て、定番なメイド喫茶とかは?」
ボソッと言った。
「そういうの好きなの?」
「え、まあ……」
「というか、あんたって、普段から変態が好みそうな本を読んでるもんね」
「そ、それは――」
誰にも聞かれたくない情報であり、優生は赤面してしまうのだった。
「恥ずかしいの?」
彼女は悪気のない顔つきで、優生の顔を見つめてくる。
「でも、まあ、いいんじゃない?」
「え?」
「私は賛成ってこと。別に、メイドは嫌いじゃないし……」
歩夢は少しだけ席から立ち上がり、優生にだけ聞こえる声で囁いてきたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます