第28話 リブロー
臭い息を放っている、ガイコツ騎士が剣を振りかざして、迫ってきた。皆は先に進んだ。しばらく逃げながら、進むとガイコツ騎士は追ってこなかった。
「おかしい、なぜ追ってこない?」コングが不思議がった。突然、床が振動した。ガツンと床が少し下がった感じだ。
「何か、音がするわ。ゴーって」サリーが言った。
「うわ!水が流れてきた。にげろ!」キューが大量の水が流れてきたのを見て叫んだ。
「うわー」皆は大量の水に流され、溺れそうになった。
「地下水が流れる仕組みだ」ジルが流されながら言った。
皆は洪水のような水に流された。
「下にレバーがあると思う。それを動かせば大丈夫と思うわ」サリーが流されながら言った。
水はどんどん流れてきて、ついにダンジョンの中は水でいっぱいになった。皆は必死で水から顔を出して泳いだ。しかし、水がさらに増えて、呼吸をする所がなくなりそうだった。ジルが水の中に潜り、器用に泳いだ。しばらくすると、戻ってきて、
「だめだ。レバーがあるのだが、入り口が狭い。手が入らない。何か道具があるのだろう」
「今から道具を探す時間は・・」コングも溺れそうだった。
「私がいくわ」ちいがひょっこり出てきた。
ジルのゲージに入っていたのだが、
「スイミングスクールで泳ぎは練習したもの」
ちいはすいすい潜り、レバーの所までたどり着いた。途中、流れが強くて大変だった。
ちいはレバーを動かした。小人なので、狭い所も入れたのだ。
下の床が動き、水が排出した。どんどん水が減っていく。
「でかした。ちい」コングが言った。
すぐさま、ジルはちいをゲージにしまった。流されてはいけないと思ったのだ。
「みんな無事か?」コングが皆に聞いた。
水は引いていたが、皆はずぶ濡れだった。
「全員いる」ジルが数えた。
「服が早く乾く魔法はないの?」キューが魔女に聞いた。
「そんなのあるかい!」
「たいまつに火をつけて、暖まろう」ジルが提案した。
「よし、たいまつを出してくれ」コングが言った。
ポルサが袋からたいまつを出し、火をつけた。
皆は服を乾かし、休んだ。
しばらくして、皆も十分休んで、服も乾き、気力が回復した。
「この先にリブローがいると思う」サリーが言った。
「みんな、剣を構えろ」コングが言った。
ジルは弓を構え、フルームとバーバラは石を口から出す準備をした。コングはマスターブレードを握りしめた。ポルサも剣を構えた。魔女も身構えた。ジリジリと進んだ。
シーンとするダンジョン。どこからか、声がした。
「大勢きたな。私のコレクションになってくれるか」
リブローがす~と現れた。不気味な感じで。
「来たな!」ジルが弓矢を放った。弓矢はリブローの近くで、ボロボロに崩れて落ちた。
「な、なんと!」ジルはびっくりした。
コングが突進した。剣をリブローに突き刺した。しかし、リブローはコングの動きを止めた。
「か、体が動かない」リブローはコングの体を浮かした。50%の確率で脳を破壊する「ボルノズン」だ。
「お願い。耐えて・・」魔女が悲願した。
コングは耳や鼻から血を出し、震えた。
「ボルノズン」リブローが唱えた。
コングは弾き飛ばされた。
「コング!」皆が駆け寄った。
「だ、大丈夫だ・・」コングがか細く言った。
「良かった。呪文は失敗だった」魔女が安心した。
「ぼ、僕もやる!」キューはリブローの後ろに回り込んだ。
「いや~。風の魔法!」キューが最大の風の魔法を放った。リブローは手を上げてこらえた。
「あ、あれ、飛ばされない・・」キューはいちもくさんに逃げた。
ポルサは稲妻を剣から出した。リブローにあたり、感電した。
フルームとバーバラが石の矢を口から出した。リブローにあたり、ダメージを与えた。
リブローは怒り、強力な波動を皆に放った。皆は弾き飛ばされた。
「つ、強い・・」ジルが立ち上がりながら言った。
「そろそろコレクションになってもらおうか」
リブローが本を構えた。魔女はこれを待っていた。リブローがジルに狙いを定め、呪文を唱えだした。ジルの体がフワ~と浮き、本に吸い込まれそうになった。魔女はジルの前に駆け寄り、呪文を唱えた。
「シーダン!」
ジルは体が自由になった。リブローはその逆で、
「うわ~」と叫び、自分の本の中に吸い込まれていった。
リブローの本がバサリと落ちた。
「魔女、これは・・」ジルが汗を出しながら聞いた。
「本に吸い込む魔法をシーダンの魔法でやり返したんだ。シーダンは魔法返しに使うんだ」
「やったぞ!僕らの勝ちだ」コングが叫んだ。
「本はどうする?」ジルが言った。
「燃やしたほうが良い。持っていても良いことはない」魔女が言った。
たいまつの火で本を燃やした。
「もう後は上に行くだけよ」サリーが言った。
「やった。ピエール王国だ」キューが言った。
地上に出る長い階段があった。
皆は少し早く階段を登った。光が見えてきた。
皆は地上に出た。目がくらんだ。地上だ。
向こうの方に大きなお城見えた。
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